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企業対談

2015.01

『次世代に繋げる130年の歴史』 株式会社 商船三井(2ページ目)

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自動車を自走させて荷役する日本初の装置を備えた
「追浜丸 Oppama-maru」(1965 年竣工)

田邉 歴史を遡れば、日本の海運事業の多角化は昭和までに完了したと言っていいでしょう。その時代の日本経済の発展に海運会社は寄り添ってきました。例えば、鉄は国家なりと称して日本の鉄鋼業は1 億トンの粗鋼生産を誇るまでに成長しましたが、原材料である鉄鉱石はブラジルやオーストラリアからの輸入です。その輸送手段として我々日本の海運会社がドライバルク船(ばら積み船)を整備し、日本の重厚長大産業の発展に寄与しました。安定的な輸送を提供するという互恵関係を構築することで、ドライバルク船を使った世界での輸送が我々の事業の一つの分野となったのです。また日本で生産できない原油も中近東から運ぶことで、油送船が我々の事業分野に加わりました。しかし日本経済の拡大とともに成長してきたのは昭和までです。残念ながらその後日本を起終点としたトレードは、世界の貿易荷動きの中で相対的な地位を低下させてきました。これは顧客の企業が日本からアジアへ生産工場を移設していったという背景があり、その動きに合わせて我々はアジアへの配船数を増やしていきました。成長の場へ、多角化した船種を持って先行者利益を取りに行く、そんな動きをしているうちに日本経済に貢献することで蓄えてきた企業の実力が、新興国の経済成長にもフィットしていったのです。つまり長い歴史の中で日本企業の支援を得て確立してきた日本の海運会社の実力が、世界でも通用するようになってきたということです。海外の海運会社は幅広い産業の需要を支え続けたという歴史がないので、これは日本の海運会社の特性であると思います。
 
草刈 いかに環境に適応してきたかという事がポイントなのですね。今後を考えると海運業はインフラでありながらサービス業の要素を持つのではないかと考えています。グローバルで物流を支えるには多岐にわたる顧客のニーズに対応し、いかに効率的なオペレーションを提供できるかが御社ビジネスの肝だと思います。海運というと一般的なイメージでは船で運ぶだけで簡単だと思われてしまいそうですが、実は非常に新規参入が難しい分野ではないでしょうか。
 
田邉 海運業は船さえ作れば誰にでもできる、サービス業としてコモディティ化するという意見もあります。しかし実は顧客のトレードパターンや物流を先読みし、配船パターンを売り込むということが求められます。使っていただいた後も顧客の環境変化を読み取り、前向きな提案で輸送の効率化を図る。このようなノウハウは130年の歴史の中で培ってきた当社の強みでありDNA です。他国の海運会社と比べて優位性があるとしたら、このきめ細かな対応と先読みする姿勢が大きいのかもしれません。顧客のニーズを先取りするサービス業としての根幹を強めなければ生き残れません。ただ、海運業は顧客のトレードパターンに応じたサービスを提供するのでどうしても受動的になります。たとえばスマートフォンのように、新製品を作り需要を掘り起こすという事は出来ません。当社が東京からロサンゼルスに船を動かすから貿易しませんか、という訳にはいきません。顧客の荷動きパターンを察知し、背景にある各国の経済事情を読むという事を非常に重視しています。ビジネスインテリジェンス、情報の知見を磨くことによって当社の提供するサービスに付加価値をつける。単純に船を右から左へ動かすだけではなく、そこには緻密な事業戦略があるのです。
 

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