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企業対談

2015.11

『技術の開発は生命であり魂』 朝日インテック株式会社(2ページ目)

ドクターのニーズから生まれた新製品
 

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 創業のビジネスでトップシェアだった御社が、事業拡大のカギとなるメディカルに進出できたのも培ってきた技術と人との巡りあわせで基盤ができたということですね。
 
 そうです。また、医療機器を作る上で一番大事なのがトップドクターのニーズです。カテーテル治療ではドクターが手元で操作した角度と同じように複雑な血管の先で極細のワイヤーの先端が回ることが要求されます。その為にはシャフトの部分が非常に重要なのですが、ここに弊社のトルク加工技術を活かせることが分かってきた。操作性に寄与できる基礎技術を持っていたのです。
 また、当時日本のドクターはカテーテル治療に積極的でしたが、使用している製品はすべて欧米製でした。欧米で認可が下りたものを日本のドクターが使用するという状況です。慢性完全閉塞(以下CTO)という難易度の高い病変がありますが、これは従来カテーテルでは手術が行えず外科での手術を行っていました。しかし患者さんへの負担が大きいことから、日本のドクターはカテーテルでのCTO治療を希望していました。ところが、欧米の大手メーカーには製造が技術的に難しいことと、カテーテルでの手術なんてナンセンスだという考えから受け入れてもらえなかったのです。
 その時、丁度我々がガイドワイヤー製品の開発に着手したところでしたので日本のトップドクターから依頼がきたのです。怖いもの知らずかもしれませんが、それに挑みました。そして2年後に「ミラクル」というガイドワイヤーができ、CTO治療のカテーテルでの手術が可能になりました。おかげさまで手術の成功率も6割から7~8割に上がりました。これは日本の医療学会で「ミラクル」を使えばCTO治療の成功率を高めることができると発表していただいたこともあり、発売2年でマーケットシェア2割を獲得しました。それが飛躍の第一歩ですね。
 
 欧米の製品を輸入してただ使うのではなく、日本のドクターの不満を解消することで彼らと共に日本初の新たな器具、治療法を生み出すことができたということですね。
 
 自社一貫生産体制をとっているのでスピードと対応力はドクターからも認めてもらっています。産業用製品では具体的な抗張力やスペックの指示がありますが、メディカルでは「もうちょっと柔らかくして」等感覚的なフィードバックがきます。それを数値化する。これが極めて重要な作業で、ドクターとの会話から試作を作るという工程をとても大切にしています。すぐにサンプルを作ってフィードバックを受けてまたすぐに作り直す。何度も何度も素早く作り直す必要があるので、すべて自社で行えることが強みの一つでしょう。
 製品開発に関しては規制がかかることでイノベーションが起きにくくなってしまいますから、ドクターとタッグを組んで作り上げることが最も重要です。また今では106カ国で使用して頂く過程でわかったことですが、人間の体というのは、人種は違えど構造はほぼ一緒です。手術方法がデファクトスタンダードになれば世界各国で使用できます。例えば他の一般製品ですと環境や志向性や宗教などによって様々なバリエーションが必要ですが、医療機器にはほとんどそれがない。したがって全世界に広がりやすいのです。一方で模倣品を作られ易いというリスクもありますが、そこには品質という絶対の自信があります。
 
 医療関連は貿易赤字が巨額と言われていますが、CTO治療を可能とするガイドワイヤーは日本から生れた。その治療方法まで輸出するというのは、日本医療の地位を世界的に向上させる足掛かりとなったのですね。最近では医療業界が注目されるというのもあり、優れた人材が集まってくるのではないですか?
 
 給料が下がってもいいからここで働きたいとうちに来る人はいます。ドクターの意見をフィードバックして製品化できる、医療の向上に貢献したいという思いですね。小さいながらグローバルに展開しているというのも理由のひとつでしょう。実際にドクターだった方が弊社で働いている例もあります。

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