“会長書きおろし”20年間の年次レポート

2009.08.25~2010.08.23
さわかみファンド、こんなこともあったね(第11期)

この期、さわかみファンドは前半こそ基準価額を戻したものの、後半は再び下げトレンドの展開となった。世界の株価全般はまだ不安定で、ギリシャ問題とかが出るたびに、脅えた売りが出てくるので、株価はどうしても下げやすくなる。

それほど冷えきった投資環境下ではあったが、ありがたいことに、新規のファンド仲間は増え続けていた。しかし、追加のファンド購入資金はさすがに減りだしていた。前年までに目一杯買っていたのだろう。

この低迷相場ではもっともっと買っておきたい。これだけ株価が下がれば、集中的に応援買いしたい企業も一杯ある。仕方ない、ゴメンナサイ売りで現金をつくって、それで一層の買い増しをしておこう。

それほど大きく下げていない保有株を中心にして、この期はかなり売却させてもらった。買いポジションを下げたものもあれば、売り切った銘柄も数多く、ポートフォリオ組み入れ銘柄数は150企業ちょっとに減った。ピーク時の約350銘柄からすると半減だ。

この期も後半の5月の月次報告書では「ファンドをお買い付けいただいた資金をすべて投入したのはもちろんのこと、一部保有銘柄をごめんなさい売りさせてもらって、およそ150億円買いました」と書いた。

同じ月次報告書に、「せっかく上昇気流に乗りはじめたばかりだった『さわかみファンド』の基準価額も連れて下落してしまったのは、心苦しい限りです」と書いている。