“会長書きおろし”20年間の年次レポート

2018.08.24~2019.08.23
さわかみファンド、こんなこともあったね(第20期)

早いもので、さわかみファンドが世に出てから、もう20年がたつ。

20年という年月の積み重ねは、日本の投信業界においてほとんど例がなく、輝ける金字塔である。その間ずっと本格的な長期投資運用を貫き、積み立て投資で年5.3%という実績を残しているのも他の追随を許さない。(2019年7月末現在)

長いおつき合いのファンド仲間と話をする機会をいただくと、みなさん笑顔で返してくれる。ありがたいことに、それだけの安心感と信頼をいただいているわけだ。実際、2001年から2004年にかけてと、2007年から2011年にかけての株価の大暴落と長期低迷を、さわかみファンドは断固たる買い方針で乗り切ってきた。

それは、さわかみファンドの運用においてと、ファンド仲間の積極的なファンド購入の資金投入においての両方でだ。これは日本の投信業界ではまったくの異例である。暴落相場を徹底的に買い増しし、それを顧客サイドが続々と資金投入して支える図式など、これまで一度たりともなかったこと。

投信はもともと小口投資家の資産形成をお手伝いする器として生まれた。

さわかみファンドは、その原点に戻り、投信の本来あるべき姿を実直に追求してきた。それも、20年の実績を積み上げてきたのだ。投資家顧客にとって、かけがえのない存在となってきた。また、これから投資をはじめようとする人たちにとっても、大きな指針となる。

ひるがえって、日本の投信業界は相も変わらず顧客重視を標ぼうするものの、それは口先だけのもの。20年はおろか、10年のまともな運用実績さえ、皆無に近い。投資家顧客にとっては天と地の差である。その違いを20年という長い年月にわたって世に示し続けてきたのだ。

さわかみファンドは、新しい歴史を切り開いたといえよう。