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投資運用のモデルへ
澤上 長期投資において経験は重要。しかし主体的に動かず、時間だけ食った人のものは経験とは言わない。大事なのは自分で考え行動すること。そして、その濃さを高めていくこと。その濃い時間の積み上げが経験となる。今をベースに考えるのではなく、将来を見据えながら仮説やシミュレーションを百通りぐらい考え、行動しては検証していく。それは百個の経験をしているのと同じなんだ。草刈はいろいろ面白がって勉強し、実際に試しているから、このまま進んでいってほしい。

 

草刈 以前会長に「俺は歴史の踏み石だ」と言われたことがありました。踏み石を越えて行けばいいと。これはすごく重かったです。たとえば年金という大きな問題があります。70年代から、当時の厚生省は高齢化が進むことで将来の社会保障に対して警笛を鳴らしていましたが、実際には何もできないまま現在に至っており若い世代は将来の年金に不安を感じています。「その原因を見過ごしてきたのは親世代や政治家のせいだ」と声を上げても、私たちもまた今の子供たちから見れば親世代になりますので、現役世代も自らの責任という当事者意識を持って変えていかなければと思っています。だからこれからの日本を背負うという認識を皆に持ってもらいたいし、一緒に変えていきたいです。一生懸命走り切って最後にはかっこいい大人だったなって言われる死に方をしたいですね。ファンドの運用面では理念も大切ですがリターンも大切です。リターンとしてもしっかりお返ししなければいけない、そのバランスも大事だと思います。良いことは言ってたんだけどな…では、存在価値がありません。日本が変われば世界も変わると思います。成熟経済化で成長が終わった先進国。一時は衰退したけどなぜまた成長路線へ戻る事ができたのか?というこれからの世界が直面する課題に対する最高のモデルとなるでしょう。

 

澤上 そう、成熟経済における成長モデルを確立した世界初のケースだね。人々の需要が爆発して経済が放っておいても成長するのが発展段階。もう需要がそれほど伸びなくなったら、今度はお金に働いてもらうことで、成長力を取り戻すことができるはず。そう、成熟経済では、長期投資をもって成長をうながすしかない。全く新しいモデルを世界に提示していこう。アジアの国々に対しても我々がいいモデルになっていくだろう。

 


【編集後記】対談を終えて

今月号から不定期で草刈と企業経営者の対談記事を掲載いたします。第一回は会長の澤上との対談、さわかみファンドの投資意義について熱く語りました。主体的に行動(投資)するとは弊社の理念としてよく耳にしますが、「世界をリードするパイオニアとなる事に、さわかみの存在意義がある」という言葉に会社としての社会的責任を感じました。世界経済を前に「次世代の為に未来を変えていく」というと個人の力は微力ではないかと思いますが、さわかみファンドを通じ、投資先企業を通じ未来を変えていくことは不可能ではないと私も信じています。澤上と草刈が目指す投資の方向性を改めて確認する機会となりました。(福島)

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