自助論

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「自助論」
サミュエル・スマイルズ著
三笠書房
 

明治の頃からの由緒ある書店が、「国登録有形文化財」に指定を受けている外観はそのままに、土台から内装までていねいに一新されて復活を遂げた。
 
そのお祝いもあって、長崎次郎書店を訪ねた。次から次へと世に出される書籍を1ヵ月ほどで回転販売する大型書店とは違って、店主が陳列する書物を厳選している。おかげで、前から欲しいなと思っていた書物が、たちまち8冊も見つかった。書店は、かくあるべしの模範ともいえる充実感にひたれた。 その中の一冊が、自助論である。ずいぶん昔の若い頃、読み進むうちに勇気とやる気と将来への希望にあふれていった思い出深い一書。もう一度読んでみようと思っていた矢先の出会いだった。
 
出だしから、もう迫力満点。「天は自ら助くる者を助く」この格言は、幾多の試練を経て現代にまで語り継がれてきた。その短い章句には、人間の数限りない経験から導き出された一つの真理がはっきりと示されている。自助の精神は、人間が真の成長を遂げるための礎である。自助の精神が多くの人々の生活に根付くなら、それは活力あふれた強い国家を築く原動力ともなるだろう。
 
努力と克己心でもって、人間の精神と実力はいくらでも鍛えられる。結果として、自分の人生をどれだけ高めてくれることか。自助という活字に心踊り、明日への希望に燃えた人生をずっと歩んできた。いまでは古いタイプの日本人かもしれないが、視点を世界に置いてみよう。そういったガッツあふれる人間がゴロゴロしているのを忘れまい。