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落日燃ゆ
城山 三郎著
新潮文庫

  より良い世の中をつくっていこうとする志を遂げていくのに、政治家と事業家どちらがいいのだろう。
 政治の場合、選挙を通して多数の同意を取りつけないと前へは進めない。どうしても政治には関係者の利害調整が絡み、既得権益層からのブレーキもかかりやすい。よほどの独裁政治でない限り、現状に大ナタを振って抜本的な解決を図るなんて荒技は、なかなかできない相談。
 それだけではない。政治の世界では、いろいろな圧力団体が顔を出してくる。本書の元総理、外相である広田弘毅も軍部に引きずられるまま、結局は戦争へと突き進むことになった。東京裁判で一切の弁明もせず民間人で唯ひとり絞首刑にされたが、じくじたる思いだったろう。

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  一方、事業家は自分の夢と情熱でもって、どんどん先へ行ってしまえる。「こうしたい」と思うのであれば、さっさとやってしまえばいい。そして、その実現モデルを小さくてもいいから、先ずは世に示すこと。多くの人々が、「それはいいね」とついてきてくれるかどうかで勝負する。
 「こんな風に世の中を変えていきたい」と思うのであれば、具体的に「こういうものだよ」というのを創ってしまう。それを見て、みなが動いてくれたら、それは世の中を変えたことになる。
常に世の評価を浴びつつも、次々と新しい価値を創造していく、それが事業家というものである。長期投資家も事業家と同じ流れにある。
 

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