何が起きても長期投資家として冷静に企業を見ていく

ミレニアル世代に期待できる
イノベーション
西 数年前から、断捨離ブームもあり少しずつモノが売れなくなってきています。もともと、ヨーロッパのような成熟社会では日本ほど消費が旺盛ではなく「いいモノを長く使う」考え方が根付いています。日本も消費に関しては少しずつ成熟してきているのかもしれませんが、世界的にミレニアル世代の消費意欲の低さが話題になっています。私の世代ではあまり考えられませんが海外旅行にもあまり行かないようです。
 今の20代の方は本当に消費に対してシビアというか興味がないなと思うことがよくある。僕が普段接するのは日本にいる方だから、長く続くデフレの影響かなと思っていたけど、世界的な潮流のようだね。一つ言えることは、ステイタスという意識が急速に薄れているように感じること。かつての「いつかはクラウン」という考え方は全く感じられない。何でもコストパフォーマンスの高低で考えていることが多く非常に現実的。日本の経済成長が鈍化している中、所得が増えていくという期待感も薄い。さらには超高齢社会の中で、年金に対する不信感や社会保険料等の負担増で将来に対して明るい展望が抱けていない。ここでも大人の責任が問われてくる。
 そもそも、現在のような超高齢化社会になることを1973年の時点で国は認識していた。その時には年金制度の維持が難しい可能性や、社会保障が大きな問題になることは分かっていたのに何もできずに今に至っている。チャーチルが「成長はすべての矛盾を覆い隠す」という言葉を残している。まさに成長し続けていた時だから問題を見なくても良かった。でも今は違う。今、僕ら大人の一人一人が「自分だけ良ければいい」という考え方を改め、逃げ続けないでこれらの問題に向き合わないといけない。次世代が明るい展望を持って生きていける環境作りこそするべき。そうしないと世界の中で日本はどんどん競争力を失っていく。そういった意味でも長期投資が負う使命は非常に大きなものがある。
 一方で、ミレニアル世代は子供の頃からデジタルの中で生きてきた世代。SNSであたり前のように他者と様々な情報を共有している。自然と多様な価値観が触れ合う環境で生きている彼らだからこそ、次の時代を作るイノベーションが生まれる期待もしている。
2017年はどういう年になるか
西 2017年はトランプ大統領の就任に始まり、ヨーロッパ各国の首長の選挙も控えています。世界が大きく変わる可能性を秘めていますが今年はどういう投資をしていきますか?
 正直、トランプ大統領が財政拡大路線を強行できるかどうかは分からない。このまま保護主義を貫くかどうかも定かではない。何がどう影響してくるかは本当に分からない。でも、こういう時代だからこそ、色々なことを想定して、どう転んでも対応できるような運用をしたいと思っている。世界的に大きな政治的トピックの中でも人々の日々の営みは行われていく。僕らは長期投資家として、そういう実体経済が背景にある企業と向き合い、大きく上下する市場の中で狙った企業を割安で買えるように、努めて冷静に株価ではなく企業を見る投資を地道に継続していきたい。

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