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トヨタ自動車九州株式会社
宮田工場(福岡県宮若市)

日本が誇る自動車メーカーであるトヨタの高級車ブランド「Lexus」。
今回はその「Lexus」を製造している福岡県の宮田工場を見学してきました。

 

 

 

 

会社説明◀12:50 会社説明
PR館館長の川浪様より、会社概要および
最高品質を追求したレクサスのクルマづくりについてご説明いただきました。

 

 

 

 

▼13:10 工場見学
レクサスのオーナーのみ見学できる生産ラインを、今回特別に見学させていただきました。
最終検査工程は、光加減と手触りで0.1ミリ単位で誤差をチェックされるとのこと。
品質に対する強いこだわりを感じました。

左:塗装工程  右:組立工程

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▶PR館こだわりコーナー

  

 

 

◀15:00 質疑応答
最後に、取締役の原田様と技術統括部技術企画室室長の千綿様に、品質を作り上げる従業員の育成方法や高級車の今後について等、多数の質問にお答えいただきました。

 

 

 

 

 

■世界市場の中で存在感を増す高級車(出所:Marklines 弊社予想)


 

 最高のクルマを九州から世界へ

今回私たちがお伺いしたのは、トヨタ自動車が全額出資するトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)の宮田工場です。トヨタ自動車は、ダイハツ工業株式会社および日野自動車株式会社を含め2016年には国内で404万台、海外で618万台を生産しましたが、この宮田工場では34万台を生産して国内はもとより世界中のお客様のもとに車をお届けしています。


九州はトヨタにとって重要な生産拠点のひとつ

トヨタの国内の完成車生産拠点は、主に中京、東北、そして九州の3地域に位置しています。中京地区では、本社や商品開発部門とともに車両やコンポーネントの工場が集中しています。一方、東北ではトヨタ自動車東日本が宮城県と岩手県に完成車工場を構えて、主に小型車の生産を担当しています。そして九州では、今回訪問した福岡県のトヨタ自動車九州が主に高級車の生産を行う一方で、大分県のダイハツ九州が軽自動車の生産を担っています。
トヨタ自動車九州は、1991年にトヨタにとって初の愛知県外の車両生産工場として設立され、翌1992年には新型「マークII」の生産を開始しました。九州への進出は、バブル期における中京地区での深刻な人手不足への対応と一極集中に伴うリスクの分散を図りたいトヨタと、石炭から石油へのエネルギー革命に伴って衰退した地域経済の活性化を進める地元自治体の思いが通い合った結果です。
その後、2005年には宮田工場に第2ラインを建設してLexus 「IS」の生産を開始する一方で、エンジン生産を行う苅田工場を新設しています。また、2008年にはハイブリッド車用の部品をつくる小倉工場を立ち上げ、今後はさらに設計・開発機能も充実させていく計画です。

高級車「Lexus」のふるさと

「Lexus」はトヨタが手掛けるグローバルプレミアムブランドで、1989年に米国へ初めて導入されて以来、北米、中国、欧州、日本、中東、アジア・オセアニアほかに展開されています。2016年には全世界で約68万台が販売され、4年連続で過去最高の販売記録を更新しました。
「Lexus」には中京地区の工場で生産される車種もありますが、ここトヨタ自動車九州では生産を手掛ける6車種の内、5車種が「CT」、「ES」、「HS」、「NX」、「RX」といった「Lexus」ブランドになっています。「Lexus」ブランドの販売は国内が約5万台、海外が約63万台ですので、トヨタ自動車九州が生産する車両の9割は輸出されて世界80か国余りのお客様の手に渡っています。
世界が認める最高品質
品質・性能・価格のバランスに優れていることは日本車の特長ですが、トップランナーであるトヨタの高級車ブランド「Lexus」に対してお客様が寄せる期待はひときわ高いものになります。「Lexus」は世界のライバルとの競争のなかで、お客様からの厳しい要求に対して世界最高級品質をもって応えてきています。
米国を本拠とする国際的な市場調査会社である、J.D. Power社が実施する新車初期調査において、トヨタ自動車九州の宮田工場は品質世界1位であるプラチナ賞を2016年に続いて2017年も受賞しています。2000年~2001年、2011年の受賞と合わせて通算5度目の受賞は、同じくLexus車を生産するトヨタ自動車の田原工場(愛知県)とともに世界最多記録となります。
トヨタが最高級品質でお客様の期待に応えることができるのは、革新的な製造技術、卓越した技能を習得した匠たちの熟練の技、そして人にやさしい職場環境が揃ってこその賜物です。

世界最高品質を生み出す、
クリーン&サイレントで人にやさしい工場

今回見学させていただいたのは、宮田工場第2ラインの塗装と組立の工程でした。第2ラインは「Lexus」ブランドの生産を前提として生まれた工場で、最高品質のクルマを生み出すための工夫が随所に凝らされていました。
まず塗装工程ですが、塗装工程は塵が大敵のため、その清浄度は病院の集中治療室や半導体工場並みに設定されています。また、塗装工程ではカートリッジ式の塗装ロボットが正確・迅速に車体を塗り上げて行きますが、ブース内には熟練した作業者もスプレーガンを使って加わり全てをロボット任せにはしていません。自動車の塗装は電着→下塗り→中塗り→上塗りと塗り重ねていきますが、Lexus車には水研磨といって水をかけながら下地塗装を磨き上げる作業が匠の手によって加えられて、目に見えない凹凸を平滑にして艶を極限にまで高めています。
組立工程に移動してくると、自動車の組立工場としては騒音がとても少ないことに驚かされます。騒音の発生源は、組立ラインを動かすコンベアーの駆動音、ボルトやナットを締め付けるインパクトレンチの作動音、ライン横を走り抜ける有人台車の走行音とクラクションなど多岐に渡りますが、それらの騒音源が徹底的に見直された結果です。コンベアーはノイズがつきもののチェーン駆動からローラー式に、インパクトレンチは圧縮空気式から電動式に、有人台車は無人の電動小型台車にと、新しい技術や工夫が盛り込まれています。
ロボットや機械の活用、冷暖房や騒音対策の完備など職場環境を進化させるとともに、高品質の実現には作業性の良さが大事であるという考えが貫かれています。例えば、中腰など窮屈な姿勢での車内の部品取り付け作業を座って楽に行うための可動式の「らくらくシート」をラインサイドに装備しています。また、エンジン・マフラー・燃料タンクなど下廻り部品の組付作業を行う工程では、ラインの上側や側面の照明に加えて床下に上方を照らすライトを埋め込んで視認性を高めて、作業者の心理的負担を軽減するとともに組付作業の確実性を向上させるなど、工夫が施されていました。

今後ますます重要性を増す高級車

日米欧の各社が手掛ける、いわゆる高級車の市場規模は現在およそ年間1,000万台弱で、約9,000万台余りとされる世界の自動車市場の1割強です。今後5年間では、世界市場は1億台規模に、高級車市場は約1,200万台に、成長していくと見込まれています。つまり、成長という点では高級車市場の方がむしろ全体市場よりも早いピッチです。
日本車は世界市場の約3割を獲得していますが、高級車市場では1割強にとどまり、伝統と歴史に勝る欧州高級車ブランドの後塵を拝しています。高級車市場自体は広がっていくのですから、性能・品質に優れる日本車が高級車としての商品魅力を備えていけば、日本の高級車ブランドとしての伝統と歴史をこれから築いていけるものと期待しています。

 

 


参加されたお客様の声

●高級車ラインを初めて見ました。あらゆる工程に様々な最新の技術が配慮された環境で作りこまれているのを見て、なぜ価格が高いのかよく納得しました。

●工場は無人化されていると思っていました。自動化と人間の「巧み」の融合された工場、そして作業員に優しいラインにただただ驚きました。すばらしい技術に感動しました。

●北米向けの輸出は今後困難になるかもしれませんが、関連会社も含め、地元経済に大いに貢献されていると思うので、今後ますますのご発展をお祈りします。

●世界のトヨタ様の訪問ツアーに参加すると思うとワクワク、ドキドキで未知の世界なのだろうと楽しみな気持ちでした。素晴らしいの一言ですが、品質の高いものを作り込むということは、人材育成、人に優しいライン作り、人とロボットがおぎない合うという環境作りが一流なので世界一という調査結果が出せるのだなと感動しました。

●ライン作業はもっとキビシイかと思っていました。見学中にあいさつして頂ける人もいて、気持ち良く見学できました。

●福岡に住む者として、世界レベルの工場が県内にあることを誇りに思います。離職率が低いのもよく分かります。

●高級車ということで、色々な「こだわり」が見られ、トヨタに愛着感がわいた。こういう企業には、まだまだ成長してもらいたい。さわかみ投信を通して、支えていきたい。

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