世界のニーズを先取りし ナンバーワンをめざす

多品種少量生産という一見非効率なニーズに合わせた生産体制を続ける同社
世界各地で次々とマーケットを開拓していく競争力の秘密に迫る

 

オーエスジー株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
石川 則男 様 (左)
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弊社取締役最高投資責任者
草刈 貴弘 (右)

 

草刈(以下草) 2002年6月17日に初めて株式を保有してから現在は持ち株比率、ファンド内での比率共に1%を超えることができました。本日はファンド仲間の方に、どうして御社に投資し長期で保有し続けるのかをご理解いただきたいと思っています。御社は自動車や航空機などを作る際に必ず使われる工具を製造しており、高精度が求められる業界の中で世界的に優れた企業であることは利益成長や世界シェア(自社推定:タップ30%、エンドミル10%、転造工具30%)などから分かります。それ以外の強みとして数字では表しにくいものを教えていただけませんか。
石川社長(以下石)オーエスジー(以下OSG)は注文に結び付ける力(社内では受注力と呼んでいます)を高めるために世界各地で努力を続けています。現在、海外拠点のネットワークは33ヵ国まで広がりました。世界中に販売のネットワークを展開しながら、きめ細やかなサービスの提供を目指しています。世界中にテクニカルセンターを展開し、現地生産の工場は、30工場近くになりました。これらを展開しながら、世界中の大手ユーザーを始めとする多くのユーザーの加工ニーズを汲み取ることに注力しています。
受注力強化に取り組んできたおかげで、新しいニーズに対して試作品を作り、技術者を派遣して、お客様とエンジニアがミーティングを重ねながら行う仕事(対面型販売)が増え、結果として大手ユーザーからの受注に結び付いていると考えます。OSGほどの規模でこれだけ多品種小ロットの生産ができる工具メーカーは世界でもありません。しかもそれは毎年増え続けています。これを利益を生み続ける事業として発展させることはOSG自身のチャレンジでもあります。

▲ねじを加工する工具(タップ)をはじめ、世界トップシェアの製品を複数製造、販売

多品種小ロットというのは、商品自体の付加価値が高いからできることだと思います。一方で、そのような製品は手間がかかるために大量に作ることが難しい。しかし御社の考えでは生産数量も伸ばそうとしているということですよね。それには今までの延長線で考えていては難しく相当な変革を要することではないかと思います。これまでの強みを残しつつ、変化させることは難しくはないですか。
2018年、おかげさまでOSGは創立80周年を迎えます。それを機に、OSGの競争力をさらに高めていくことを目的にBeyond80というプロジェクトを立ち上げました。そこでまず取り組んだのが、世界中のOSGの受注売上在庫をリアルタイムでデータ化するということです。そしてこの世界中から集めたビッグデータをどう活用するか?もちろん、商品開発や営業施策に活かすのですが、OSGにとっては製造部門こそがプロフィットセンターなので、生産活動に活かすことが何よりも重要と考えました。
  製造部門の中で一番のコアな部分が日本に展開している4つのマザー工場です。マザー工場では、高付加価値製品を大変多く生産しています。小ロットの生産も多いです。ただ、多品種小ロット生産を人件費の高い日本で行うことはコスト競争力から言えば、課題のひとつと言えます。そこでBeyond80では多品種小ロット生産とコスト競争力の両立を目指してビッグデータの活用にスポットライトを当てたわけです。