成長の原動力と小売業の未来のかたちとは

 

株式会社セブン&アイ・ホールディングス
取締役常務執行役員
伊藤 順朗 様 (右)
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弊社取締役最高投資責任者
草刈 貴弘 (左)

 

 

高速で積み重ねていく小さな改善

草刈(以下草) 高齢化社会が進行し人手不足が問題になってきていることもあり、働き方改革ということが叫ばれてはいるものの業種によっては難しく、言葉だけが先行してしまっているようにも見えます。そのような中で御社は、フレキシブルな働き方はもちろん什器や設備に加えて細かな改善を積み重ねていらっしゃいます。専門部隊がいらっしゃるのでしょうか。たとえば、自動車のメーカーであれば生産管理や生産技術の部隊がいますが、小売だとそういう部隊を想像できません。

伊藤(以下伊) メーカーでいうところの生産現場というのは、私どもでは売り場ということになります。我々が直接関与できるものとして大きいのは、働いている人の生産性をいかに上げるかということです。グループ内に事業会社が様々ありますが、一番先進的にできているのがセブンイレブンです。
セブンイレブンは2万店強の店舗があり、そのうち98%のお店がフランチャイズでして、最終消費者であるお客様とともに私どもにとってはフランチャイズのオーナー様という第2のお客様がいらっしゃいます。このオーナー様の満足度を高めるということも私どものビジネスモデルではすごく大事です。
実際の販売、接客を行う方たちの働きやすさを追求することを長い間繰り返しております。たとえば、レジの下に置いてあるレジ袋を取りやすくすることであったり、陳列棚を引き出せるようにして陳列の乱れを直し易くしたりと、細かいことの繰り返しです。どれ一つとして、大きなイノベーションではないのですが、小さな改善をしながら、お店での作業効率を高めようとしています。
一方で人手不足が話題となっていますが、セブンイレブンでは加盟店のオーナー様に対してはロイヤリティを1%減額しましたが、それを人材の育成採用などに充ててくださいという思いでやっています。外国人の労働者の方が増えてきていますが、言葉の壁をなくすために、外国語での研修、あるいは外国語学校に行ってセブンイレブンの仕事を紹介することも行っています。コンビニエンスストアは若者が働いているというイメージがありますが、60歳以上の方も多く働いているという現実を踏まえ、より多くの高齢の方に働いてもらうために自治体と連携してセブンイレブンの仕事の説明会をして、ハードルを下げることをしています。
今話題に上がっている、長時間労働への対応をというよりも、いかに生産性を高め、人手不足に見舞われている現場をサポートしていくかということにフォーカスを当てています。外国人の方、高齢者、女性などへの対応は、現在の時流に沿った一時的な対応ではなくしっかりと進めたいと考えています。