ダイキン工業株式会社 空調体験ツアーのご報告

空調体験後、フーハ東京にあるショールームを見学

記録的な猛暑が続いていた8月21日、夏休み企画としてダイキン工業株式会社様と共催で空調体験ツアーを実施いたしました。新宿駅近くのダイキンソリューションプラザ「フーハ東京」に、4歳から小学校6年生までの子供達と保護者の方々12組31名のファンド仲間の皆様にお集まりいただきました。今回はその模様をご報告いたします。

空調体験ツアーの内容は、エアコンが部屋を涼しくしたり暖かくしたりする仕組みを家族で学び、子供達が自分の手でエアコンを分解し、構造を学ぶというものです。併せて、フーハ東京のショールームにて家庭用、業務用エアコンを見学しました。ショールームでは一昔前のエアコンと最新型エアコンが並べて展示されています。最新型エアコンは温度調整機能だけでなく、部屋の中にいる人が快適に感じられる仕組みも備わっています。子供達はもちろん保護者の皆様も、エアコンの進化に驚かれていました。

エアコンの仕組みの解説は、その道8年の「高橋先生」が行ってくださいました。高橋先生はエアコンがどのようにして熱を部屋の中から外へと運び出しているのか、それを実際に行っているエアコンの中身がどのような部品で構成されているのか、アニメーション映像やペットボトルに圧縮空気を送り込んでサーモグラフィで撮影する実演を交えながら、分かりやすく教えていただきました。
エアコンの分解実習では、子供達はプラスチックのカバーや、ごみを取り除くためのきめ細かな網でできたフィルター、アルミなどの薄い金属でできた熱交換器、風を送り出すための黒くて丸い筒のようなクロスローファンや細かな回路が走る電子基板を一つ一つ自分の手で取り外していきました。その過程で、普段の生活ではまず見ることのないエアコンの内部構造を初めて知ったのではないでしょうか。しかも子供達だけでなく、保護者の皆様も興味深そうにエアコンが分解されていく様を眺めておられましたので、「家族で」学べる機会になったのではないかと思います。

エアコンの仕組み・分解体験風景

エアコンの仕組みだけでなく、ダイキンという企業からも私達が学べる点は多くあります。同社は大正13年の創業以来、高い付加価値を生み出す研究開発力、「PDS: Production of Daikin System」という商品を早く、安く、精度高く作り上げる独自の生産システム、世界中で商品を販売する営業力、製品価値に見合った価格設定といった強みを培ってきました。同社の歴史は社史「拓く」「継ぐ」に著されており、Webページでも公開されています。https://www.daikin.co.jp/corporate/overview/summary/history/company_history/

社史のなかでも大切にされているテーマが「人を基軸におく経営」です。同社はこのテーマを【「人の持つ無限の可能性」を信じ、「企業の競争力の源泉はそこで働く『人』の力である」、「従業員一人ひとりの成長の総和が企業の発展の基盤である」という信念のもと、働く人の意欲と納得性を引き出し、一人ひとりが自らの個性を磨き高め、能力を最大限に発揮して、成長することによって、組織としての力を徹底して高めていこうとする考え方】と説明しています。https://www.daikin.co.jp/corporate/overview/vision/people_centered/

25年前の1993年、バブル経済の崩壊、円高、冷夏といった苦境に立て続けに見舞われ、赤字に陥りました。しかし困難に直面したことで当時就任した井上社長(現会長)の下、空調と関連性の低い事業を売却する一方、三本柱としてルームエアコン、業務用パッケージエアコン、大型施設用セントラル空調にリソースを集中する社内改革が実行されました。この結果、空調技術やサービス・メンテナンス機能の強化が進み、世界的な空調専門メーカーへと飛躍する土台が築かれます。
そして2008年の金融危機時には、苦しい時でも不況を言い訳にしないで利益を出すという意思を込めて「短期利益の創出」を追求する一方、長期的な重点テーマとして暖房、大型空調、省エネ製品、環境負荷の小さい冷媒の開発投資も実行されました。危機から10年経った今では、2009年の売上高1兆2千億円に対して、2018年の売上高は2兆2900億円に拡大しました。

ダイキンの社史を紐解くと、同社が好調な時期を迎える要因は、その前の困難な時期に打ち出されていることが分かります。世情の変化に合わせながらも、「二流の戦略と一流の実行力」によって将来のタネを蒔いて育ててきたことが、同社が持続的に成功してきた理由と言えるでしょう。このような企業をファンド仲間の皆様にぜひ知って頂くために、これからも様々な企業で訪問ツアーを企画していきます。

【アナリスト 加地 健太郎】