人生力が運を呼ぶ

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「人生力が 運を呼ぶ」
木田元・渡部昇一著
致知出版社

 思わずニヤリとさせられるのは、本書の帯。「ヤミ屋あがりの哲学者と、テキ屋あがりの英語学者が古稀をすぎて語り合った」ときた。痛快きわまりない帯の本書を、これまで何度も読み直しては自分に気合を入れさせてもらった。
 お二人の若いころの奮闘話や、生きていく上でのエネルギーの爆発には、やたらと元気がもらえる。すさまじい生き方を実践してきた人間が語る言葉には力がある。世間によくある、「ああだこうだの弁解」や「できない理由づけ」を、ブルドーザーのように押し潰していく。

 たとえば、語学はとにかく丸暗記。1日8時間から10時間、毎日毎日繰り返せば3カ月ほどでマスターできるという。実際に木田さんはそれをやって、大学の3年間でドイツ語・ギリシャ語・ラテン語をマスターしてしまった。その勢いで、フランス語にもぶつかっていった。

img_chairman.jpg ちょっと手をつけては、すぐ無理だと投げ出してしまう人たちからすると、異様なほどの人間力である。人間が潜在的に持っているパワーは、いくらでも鍛え上げられるということか。
 人間の持つエネルギーの爆発は、企業においても新技術の開発や新事業の立ち上げなどで、しばしば見られる。その情熱や集中力のすごさには驚嘆させられるし、万難を乗り超えて目標に突き進んでいく姿には感銘さえ受ける。

 そういった感銘を心の糧として、長期投資の企業リサーチを進めるのも、また楽しからんやである。