Sawakami Asset Management Inc.

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2021年、コロナ禍2年目においても行動が制限され、我慢を強いられることの多い1年でした。このような状況だからこそ、経済という生き物の伸縮をより身近に感じさせられたのではないでしょうか。さわかみ投信にとっては、日本における投資文化の拡大とお客さまの財産づくりに邁進する一方、意見広告などを通じて“本来あるべき投資の姿”を社会に対して訴えかける1年でもありました。

 


ファンド仲間100万人を目指して

私たちが目指すファンド仲間100万人。その背景には、日本国民の1%が長期投資を実践してほしいという想いはもとより、“ 日本に投資文化を根付かせたい ”という高い理想があります。残念ながら日本はまだ投資に対する認知や理解が少なく、欧米と比較しても預金に対する信頼が高いのが現状です。右記の資料をご覧いただくと、家計における現金・預金の構成が日本は54.3%と米国や欧州と比べて高く、逆に投資信託や株式の割合が低いことが分かります。その理由としては、戦後高度経済成長を促すための政府の施策として預金へ資金を集中させたことが大きく起因していると考えます。しかし、今の日本は高度経済成長期も終わり低金利の時代です。当然、時代の変化と共に皆さまのお金に対する考え方も変える必要があります。

長期投資で果たす経済的・精神的自立

日本銀行(https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf)を元にさわかみ投信株式会社作成

日本において社会課題が山積する中、将来に対しての不安から預金にしがみついてしまっているのであれば非常にもったいないことだと思っています。世間には “ 投資はギャンブル ”というイメージがまだ根強く残っていますが、本来の投資とはお金にも働いてもらうことであり、皆さまの生活の支えになってくれるものなのです。
私たちは投資を通じて経済的自立を果たしていただき、お金に縛られない人生を全うしていただきたいと考えています。お金が理由で自分の夢や目標を諦めてほしくはありません。
経済的にも精神的にも自立した大人がイキイキと生きる社会。これが私たちの目指す社会です。そして一人でも多くの大人がかっこよく生きることは、将来日本における経済や文化、芸術の発展の礎となり、おもしろい世の中への第一歩でもあると考えています。

 


金融経済と実体経済の乖離に疑問

 

投資文化を広げる活動を行うと同時に、“ 金融経済と実体経済の乖離 ” についても疑問を投げかけてきました。コロナショックの際に一時的に株価は下がったものの、2012年のアベノミクス以降、日経平均株価は約3倍にもなりました。株価が上がることは良いことではありますが、私たちの生活(実体経済)は良くなったのか?と聞かれると、実感が湧かないという人がほとんどだと思います。
昨今コロナウイルスにより人々の移動が制限され、消費が低迷しています。特に、人々の交流の場となる飲食業や旅行業などは大きな打撃を受けており、生活の糧となる収入が途絶えてしまった方々もいらっしゃるかと思います。そんな中、株価だけが上昇している今の不合理さに対して、私たちは疑問を呈しています。金融は単なるお金儲けのために存在しているのではなく、実体経済を支え豊かにするためのものです。人々の生活向上に関与しない金融は単なるマネーゲームであり本末転倒です。

 

 

 

運用報告会を通じて投資先企業に触れる機会を

株式投資は企業の未来の成長にお金を投じる行為です。そしてその企業は皆さまから得た信頼と期待を背負い、企業活動を通して私たちの生活を支えてくれています。株式市場で日々変動する株価の裏側には、それぞれの企業の未来に向けた弛まぬ努力が存在しています。2年ぶりにリアル開催した運用報告会では、投資先企業とファンド仲間が集い、長期投資を通じて未来づくりについて改めて考える機会となりました。

 

 


私たちが目指す長期投資とは?

私たちは目先の株価を追いかけるのではなく、企業の事業成長、そしてそこから生まれる未来に資を投じています。企業はサービスや商品の開発・提供・改善の繰り返しの中で事業を成長させていきます。当然短期間でできるものではありません。一方、目先の株価というものは日々のニュースやうわさなど、本来の企業活動とはかけ離れた部分で動くことがあります。私たちは、短期的な株価の上下動で利ザヤを稼ぐのではなく、企業が将来生み出す事業の価値、すなわち企業価値に投資し、長期にわたって価値の向上(成長)を共に目指します。企業価値の向上は、投資家に対するリターンだけでなく、より良いサービスや商品の発明・提供を通じて社会に対しても様々な恩恵をもたらします。お金のばら撒きにより形成された現在の金融相場は、人々のリアルな生活や消費から形成される実体経済とはかけ離れており、「儲かりそうだから買う」という投機家たちの金儲けの場となっているのではないでしょうか。株価が上がった、下がったという表面的な世界に一喜一憂することなく、その背景にある企業の弛まぬ努力、そしてそこから生まれる素晴らしいサービス、革新的な商品が、結果豊かな社会をつくる。そんな未来づくりに寄与できるような投資をさわかみ投信は目指しています。

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