
「世の中に美味しい儲け話はない」誰もが大人になる過程で学んだ世の中の鉄則である。金融知識は人一倍あると自負する私も、これまでの人生において「美味しそうな儲け話」に騙されたことは一度や二度ではない。それほど、世の中には「儲けたい」というカモを狙った「美味しそうな儲け話」に溢れている。
そんな何度も裏切られてきた私が出会った「最も美味しそうな制度」がiDeCo(個人型確定拠出年金)である。初めてその制度の内容を聞いた時は「本当にそんな美味しい話があるの?」と耳を疑ったほどである。
今日は、私が驚いた3つのメリットのうちの1つ「所得控除」を紹介したい。「所得控除」とは端的に言うと「はじめから所得としてなかったものとみなしますよ」ということである。では、iDeCoでは何を所得としてなかったことにしてくれるのか? それは「自分のiDeCo口座に掛金として出したお金」である。所得控除の結果、どういうことが起こるのだろうか?
国に納める所得税や自治体に納める住民税は、収入のうち「所得」に対して課税される。「所得控除」されるということは、課税対象となる「所得金額」が減ることになるため(実際には掛金として積立ているので減ってはいない)、結果として所得税や住民税の額が減額されることになる。裏を返せば、仮に運用がうまくいかずに増えなかったとしても、掛金として出した時点で、税金が減額されることになるので得していると言える。自分の将来の年金づくりのために投資したら税金が減額されていた…。iDeCoは国民の自分年金づくりを後押しするために、厚生労働省がつくったまさに官製節税スキームと言える仕組みなのである。
確定拠出年金部長 西島 国太郎

