
「ねえ、ママの宝くじ、選んでくれる?」小さい頃、母や祖母が笑顔でそう言いながら宝くじを差し出してくれた光景を、今でもよく覚えています。子どもは運が強いのよと言われながら渡されたその紙切れには、どこかに“希望の光”がありました。実際に私が選んだ番号が当たったことも何度かありました(笑)。
私はそんな“運試し”が生活の一部になっている国=タイで育ちました。仏像の写真をお守りとして財布に入れたり、お寺でおみくじを引いたり、週末には市場で占いをしてもらう。信じることが自然な日常の一部だったのです。1等が当たりますように…これはタイの多くの人が願う一番の祈りごとだと思います。
「ギャンブル=運命」という文化の中では、それを「リスク」として捉えることはあまりありません。その一方で、「投資」という言葉には、なぜか身構えてしまう。難しそう、失敗したらどうしよう、専門家しかできないのでは?私自身、ずっとそんなイメージを持って投資を避けてきました。でも日本で、さわかみ投信で働くようになってから私の考えは大きく変わりました。驚いたのは日本では若い世代でも資産形成に対する意識がとても高いことです。友人の家庭では生まれたばかりの赤ちゃん名義で投資信託の口座を開いたり、新入社員でも投資経験がある人が珍しくありませんでした。なんてしっかりしてるんだろう…まるで別の世界に来たみたい…そう思ったのを今でも覚えています。
逆に、私の実家は父が一人で5人兄妹の家計を支える家庭で、その日暮らしのほうが現実的でした。だから私は「投資=怖いもの」と思い込んでいたのかもしれません。でも、日本で“未来を育てるためにお金を使う”人々の姿に出会い、私は心を打たれました。それは、ただの資産運用ではなく、「希望の育て方」なのだと感じました。私もこの考え方を身につけたいと思ったのです。
投資は、未来に向けた小さな一歩の積み重ね。夢ではなく、現実を変える力です。宝くじと投資、どちらもリスクはありますが、向き合い方はまったく違います。宝くじの一等賞の当選確率はわずか0.0001%(タイ国のケース)で、外れればゼロ。でも、投資はきちんと学び、続ければリスクをコントロールでき、未来を自分の力で築けます。たとえば、宝くじではなくDCA(ドル・コスト平均法)で毎月1,000バーツを積立投資していたら?年6%の運用なら、30年後には約100万バーツになる可能性もあるのです(複利による積立運用)。同じお金でも、運に頼るのか、未来のために働かせるかで、結果は大きく変わります。
もし1,000バーツがあったら「運を試しますか?」
それとも、「未来を育てますか?」
私が心からお伝えしたいのは、物心ともに豊かなこの日本に暮らせることの素晴らしさです。日本の真の豊かさは、経済力だけでなく「心のあり方」にあると感じました。成長を信じ、未来を分かち合うその姿勢に、深く感動しています。皆さまが“本当に望む人生”を歩まれることを願っています。そして、さわかみがその一歩を支えられたら、これ以上の幸せはありません。
◇ナオ(スリサクン ピサチャー)◇
「ナオ」という名前は日本人っぽいですが、タイ出身です。プーケットで生まれ、バンコクで育ちました。趣味は音楽と旅行です。現在、さわかみ投信に入社して約1年になります。安心した生活を送りたいことと、お金についてしっかり学びたいと思い、入社しました。金融業界は初めてで戸惑うことも多くありましたが、その分多くのことを学ばせていただいています。






