
意外にも我が国の産業廃棄物の中でダントツに量が多いのは「汚泥(おでい)」です。汚泥とは、ざっくりと言えば下水処理や工場排水の処理にともない発生する水分の多い泥です。全国の下水処理場では人間活動に伴う汚水を処理する過程で年間230万トンの汚泥が発生しています。処理場では汚れを分解するバクテリアを大量に飼育しますが、汚泥はその微生物の死骸が大半で感謝の気持ちでリサイクルしたいところ。単純に燃やす→焼却灰→埋立てでは微生物が浮かばれません。汚泥→肥料向け発酵→有機肥料→食料生産は素晴らしい循環です。一方で、エネルギー生産の原料にもなります。「下水汚泥ガス化」と言って、実は日本古来の「炭」作りと原理が似ています。有機物(木片や汚泥)→無酸素状態での蒸し焼き→可燃性ガス(水素や一酸化炭素)の発生→ボイラやガスエンジン(発電機)の燃料。机上計算ですが、年間230万トンの汚泥のエネルギーとしてのポテンシャルは、約110万世帯の年間電力消費量(40億kWh)に相当します。下水処理施設そのものや周辺施設の電力がカバーできれば美しい。2トン/日処理規模の実証実験が国家プロジェクトで進行中でワクワクして応援しています。
【取締役最高投資責任者 黒島 光昭】

