
「せっかく食べ歩きするなら、今の日本を体感したい」と思い立ち2023年11月25日に日本橋を歩き始めた東海道リアル食べ歩きの旅。途中、何度も足の爪が剥がれるアクシデントや猛烈な腹痛、腰痛、背筋痛、膝痛、足底痛、アキレス腱痛、といった各種の痛みを伴いながら、2年後の2025年11月24日、京都の三条大橋に無事ゴールできた。
さて、人生の大事な時間とお金を費やし、一見すると無駄なチャレンジで私は何かを得たのだろうか? そんな野暮な質問はやめて貰いたいところだが、書籍等から知識としては知っていたが、目の当たりにした日本の危機的状況について3点共有したい。1点目は独居老人の多さである。独居により他者との関りが希薄化し、結果として孤独・孤立する状況は、表明化しづらいがクオリティオブライフの観点から非常に重大な問題である。2点目は空き家の多さである。空き家になることで、街の景観や治安が悪化する懸念がある。住宅価格の高騰が続く中、空き家が増えているという矛盾に対し、働き方の抜本的な見直しの必要性を強く感じた。そして3点目が高齢化と空き家の増加による街の賑わい喪失である。私は、あくまで各地域を歩いて通過しただけだが、「街が死んでいる」と感じたのは一度や二度ではない。そして死んだように感じる街に新しいタワマンが建っているという違和感は表現しづらい。
この3点は、旧東海道という、日本で産業や人口が集中している太平洋ベルト地帯を歩いた率直な感想である。私たちは、未来の生活に欠かせない技術やサービスを提供している企業に投資することで実体経済を支えつつ、長期投資のリターンを得ることを信条として、これまで26年間、長期投資を実践してきている。しかしながら、私たちの長期投資の拡大スピードより速く日本が衰退していっているリアルがあった。私たち長期投資家が、もっと速く、より多くの人に長期投資を広めなければ、日本の衰退を止めることはできない。そう強く感じ続けた東海道の旅だった。
【確定拠出年金部長 西島 国太郎】




