
果物の生産について、ある農学研究者と大変興味深い意見交換をしました。そのテーマは「直視を避けられている地球温暖化の影響」でした。困ったことに温暖化の進行により、「眠り症」と呼ばれる発芽不良が、ナシ、モモなどの落葉果樹を中心に世界中で深刻化しているらしい。その機構は植物本来の性質に関係しているだけに厄介です。冬の休眠中に十分な冷温を経験できない→植物生理障害の発生→春になっても芽が出ない、花が咲かない。研究者としての私の経験から言えば、このようなあまりにも大きな課題への挑戦は避けがちです。どこから手を付けていいかの恐怖感に耐えきれない。しかしその研究者は10年以上の愚直な研究を積み重ね、ナシの眠り症を覚醒できる新しい化合物を発見しました。その効果は野菜や穀物等についても開花・発芽促進効果を示しているそうです。昨今の地政学リスクを考える時、このような農作物眠り症の目覚めのコントロールを論理的、計画的に行うことが、地球温暖化に立ち向かっていく農作物の安定供給の救世主になると思います。彼の貴重な1次データは計算科学と融合してバイオインフォマティクスとして研究に拍車がかかっていますのでお楽しみに。
【取締役最高投資責任者 黒島 光昭】



