Sawakami Asset Management Inc.

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「何故私たちの身の回りで景気が良くなった実感は全くないのに、株式市場が最高値更新というニュースが飛び交っているのでしょうか?」

セミナーにてお父さんと同伴で参加いただいた学生さんからの質問はシンプルに本質をとらえ、会場の空気をピリッとさせました。

 

さわかみファンドに存在意義はあるのか?

皆さまのさわかみファンドは設定の目的でもある「一般生活者の財産づくりを長期投資でお手伝いする」という理念に沿ったマイペースな運用で基準価額を更新しながら、27年目を迎えることができています。一方最近では厳しいお声もいただくようになっていることも確かです。その背景にはここ数年の楽観的な上昇が続く株式市場全体に対して相対的に成績が劣後するような状況があります。これらのご意見は、強いマーケットにそのまま乗る方が賢いと判断されるインデックス(指数)運用に対して、経済の見通しや投資先企業の選定に頭を使うアクティブ運用には意味がないのでは?と言い換えることもできるでしょう。では実際にさわかみファンドが考える、長期投資アクティブファンドの役割はもう時代遅れで必要なくなってしまったのでしょうか?

 

人生に沿う投資の王道

長期保有する覚悟で株式を買う判断は、その企業のオーナーになる覚悟を決めることに似ています。もちろん投資は安く買って高く売ることが目的ですので、それが達成される限りにおいて運用の考え方に優劣はありませんが、投資とどのように関わっていくのかという投資家の態度は長期での財産づくりに大きな影響を与えます。長い人生を通して経済的に堂々と自立した人生を実現していくためには自分でも稼ぐ傍ら資産にもしっかり働いてもらう必要がありますが、その資産の就職先は「なんでもいい」ではなく、選ばれた企業群であることが大切です。少し大きな視点では、投資家が能動的に選択するという態度は上場企業の趨勢をブーストすることに繋がり、資産を持つ者(オーナー)として、豊かな未来づくりに貢献するという社会的な責任を果たすことにもなります。

もちろん目の前の市場環境をリターンに活かせているかの反省は常に必要であり、成績に言いわけはできません。一方で私たちが日々行っている議論の目的を、ファンド仲間に人生で勝っていただくためのものから、ファンドが金融商品として指数に勝つためのものに変えることはこれからも絶対にありません。つまり投資家のために存在する長期のアクティブファンドとしての役割は、昨今の投資環境の中でより一層増しているとも言えます。

 

それでも慎重すぎる? さわかみファンド

冒頭に話を戻せば純粋な目を持つ若者の意見は、足元でも続く株高の気持ち悪さを多くの生活者が持っていることを伝えます。現在さわかみファンドは活況な株式指数に対して慎重な姿勢を崩さずに運用をしていますが、確かに予測のできない未来に対して過度な心配をしているかもしれません。一方で私たちは経済には常に揺り戻しがあることをこれまで金融危機等で幾度と経験し、どんなに賢くあろうとしても目の前のトレンドに振り回されることをESG投資(例:EVブーム)などでも経験したばかりです。もちろん思考停止は避けなければなりませんが、さわかみファンドは今後も議論を尽くしながら、ファンド仲間のためにマイペースに基準価額の上昇を狙い続けます。

目指すのはファミリーアセットとしての姿

最近の勉強会では、嬉しいことにファンド仲間にお子様同伴で参加いただくことが増えてまいりました。足元の生活で無視のできなくなっているインフレは、私たちが長らく思考停止でも、ある程度許容されていた生活の経済的な安定が崩れつつあることを示唆しています。経済の地殻的な変動が激しさを増すこれからの世の中を力強く生きていくために、さわかみファンドを一金融商品ではなく、その考えとともにご家族に継承できるファミリーアセットとしていただけるように弛まぬ努力を続けます。

【運用調査部長 斉藤 真】

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