
選挙で見られる政敵批判ほど滑稽なものはない。他者批判に熱を込めるばかりで、自説の細部説明が疎かではないか。それが野党の存在事由なのだろうが、国民愚弄も甚だしい。
結果的に自民党圧勝となった一週間前の衆院選(2月15日執筆)は、与党批判を主軸に据える党ほど票を失する茶番劇だった。いや、高市人気を際立たせたショーだったのかもしれない。政策内容の是非はともあれ、民意を刺激し日本を一つに束ねる最良の機会となったわけだ。
誰がための批判か
他者批判は選挙のみならず常に生まれる。常態化するSNS界隈。根源にあるのはストレス解消だと考えられ、何も生まない不毛な批判である。あるいは、再生数アップを目的とした狡猾な自営業。批判対象が自らの命を絶つ悲しいケースもあるが、おそらく加害者は被害者ほど深刻な感情は持ち合わせていない。いわゆる“いじめ”も同様だろう。
組織(会社)内にも批判は存在する。与・野党の構図のような派閥争い、クーデター狙い、評価関連など様々。恥ずかしながら、社員数100名に満たない当社でも発生するほど。更に大きな組織ともなれば、他を貶める批判など日常茶飯事なのかもしれない。
不思議なことに、前任者批判なんてものまで存在する。既に首長の座を奪取しているにもかかわらずだ。これは新任者自身の主張を正当化したいだけで、批判の根拠は自信の欠如だろう。自己主張だけでステークホルダーを納得させられないがために、前任者を批判して自説に下駄を履かせるのだ。90点(前任者の印象操作による効果)+10点(自信の薄い主張)=100点(上乗せ分)のような構成だ。
更にすごい事例もある。前任者を徹底批判して自己肯定を図るだけでなく、自己評価そのものを満点として加算し、200点を獲得する手法である。古のリアルな王様ですら謙遜するところを、現代の大王気取りは“365日で365の勝利”などと羞恥心もなくパフォーマンスを続けているのだ。
反面教師を超えて
就任1年を経て、はだかの王様2.0の支持率の下落は、経済政策の不調だけが理由ではあるまい。地球の持続性を逆行させ、世界の秩序を乱す元凶だからだ。世界最強国の王の品位のなさに、多くの国民はいま「3年間の我慢」と堪えているはずだ。MAGA派すら心が離れ始めていると聞く。危険視すべきはここからの9カ月である。中間選挙以後は手足を縛られる可能性のある王は、今のうちに強権発動に躍起になるだろう。3年後の自分のため、身内のために。関税および強引な対米投資要請、突然の軍事侵攻や領土拡大宣言、更には国際法無視や痛烈な他者口撃……他国、そして国際企業にとっても「3年間の我慢」の時である。無益な報復など御免だ。
王なき後もトランプ路線は静かに維持されるといった論理もあるが、実際のところ、膝元の国民が前任者否定を望んでいるように思う。世界のリーダーたる真の意味でのMAGAのために、先王を徹底的に批判して未来を掴んでほしい。もしくは、国民は王の高齢・体調不良を見抜いているのかもしれない。はだかの王様3.0の芽はないはずだ。
【2026.2.15記】代表取締役社長 澤上 龍






