Sawakami Asset Management Inc.

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1月30日にさわかみファンドが2024年から投資を続けているAeroEdge(エアロエッジ)社をファンド仲間の皆さまと共に訪問しました。同社はエアバスA320neoやボーイング737MAXに搭載される仏サフラン社製エンジン「LEAP」のタービンブレードを製造する栃木県発の新興企業です。低燃費と軽量化が求められる現代の航空機産業において、タービンブレード素材の一部は従来のニッケル合金から、耐熱性に優れ、より軽量な「チタンアルミ合金」へと移行しています。しかしこの素材はエンジン稼働時は強靭である一方、常温では割れやすいため、加工が困難な「難削材」として知られています。ブレードという複雑な形状を精度高く削り出せる企業は、世界にわずか2社しかありません。さらにエンジン1基につき100枚以上必要となるブレードを高い品質を維持しながら安定して量産するには、並大抵ではない技術的障壁が存在します。

見学ではそうした高い技術の一端を見せていただいたほか、困難を乗り越えるための工夫を随所に見つけることができました。整然と配置された装置群はワーク(加工対象物)の円滑な流れを促し、徹底した自動化と標準化によって属人化が排除されています。DX化も極めて高度に実装され、異常が発生すれば即座にアラートが作動するデジタル管理体制が構築されています。さらに、効率的なものづくりのために工具を自社開発し、非破壊検査による全数検査で品質を担保します。その徹底したこだわりが世界一級の切削加工技術を支える根幹であると肌で感じました。

加えて印象的だったのは、次世代技術「アディティブ・マニュファクチャリング(AM)」への取り組みです。従来の金属加工が金属の塊から削り出す「引き算」であるなら、AMは金属微粒子を積み上げる「足し算」の技術と言えます。引き算では不可能だった微細なデザインが可能となり、航空機ドアの蝶番などにも採用されているとのことでした。同社はAMの研究成果を学会で発表する一方、最新設備を取り寄せ、新技術の蓄積に邁進しています。「足し算」の領域でも世界をリードしていくであろう同社の姿勢に、時代を先取りする企業の力強さを確信しました。

見学後は同社の森西社長と弊社代表の澤上との対談を行いました。起業の背景から、日本の製造業の未来まで、語られる言葉のどれもが熱を帯びたものでした。新宿で観た映画をきっかけに製造業界へ飛び込んだこと、より大きな成長の機会を求めて日本の機体製造ビジネス慣習の枠を超えて、世界の航空機業界へ挑んだこと。その逸話の一つひとつから、参加したファンド仲間は森西社長の人間的魅力と仕事への情熱を感じ取ったはずでしょう。「ブレードはブレードの専門家にしか削れない。そしてその世界で負けるわけにはいかない」この言葉に宿るリーダーとしての揺るぎない覚悟は私たちの胸を強く打ちました。

現代技術の最高結晶の一つは間違いなく民間航空機です。今回の企業訪問ツアーは、世界が認めた同社の技術、それを支える人と組織、そして未来への飽くなき挑戦を体感する貴重な機会となりました。こうした企業が日本の製造業の誇りでしょう。リスクマネーを通じて同社を応援しながら、さらなる飛躍を見守りたいと強く感じた実り多き企業訪問となりました。

【運用調査部 アナリスト 小宮 力】

 


 

ツアーの流れ

■13:00 集合/受付、本社工場へ移動

■13:30 会社説明

AeroEdge社の特徴を中心に森西社長からお話しをいただき
本社工場EdgeFactoryの見学へ!

■13:45 AeroEdge本社工場(EdgeFactory)見学

工場見学の案内も森西社長を中心に実施いただきました! 同社のものづくりに対する繊細な工夫や働く人を大事にする姿勢を垣間見ることができました。

■15:00 社長対談

森西社長の起業の経緯やものづくりに対する熱い想いを聞くことができました。他にも、「社員に求めていること」「株主との関係性」等を伺うことができた贅沢な時間でした。
▲左:AeroEdge株式会社 代表取締役社長兼執行役員CEO 森西 淳氏、
右:さわかみ投信株式会社 代表取締役社長 澤上 龍

 

 


 

ご参加者の声

●仕事へのこだわりを明確に打ち出しており、ツールから人財まで、網羅的に細かいところまで整えていると思いました。

●初めて参加しましたが、トップの思い、情熱が伝わってくる企画は単なる広報ではなく素晴らしい。

●技術や工程の説明が素人にも分りやすく理解が深まりました。

●多くの設備を少人数でオペレーションしていたのには感心いたしました。

●自宅の近くにこれほどの技術をもった企業が存在していたとは全く知らなかった。さわかみ投信の企業リサーチの力、眼力の素晴らしさも実感しました。

●次に起きるであろう技術革新や社会情勢を念頭に今から手を打つという戦術に大変感心した。

●チャレンジスピリットのある社長の話、熱い想いに聴き入ってしまいました。

●会社の内容をとても分かりやすく説明していただいた。社員もいきいきと働いていらっしゃった。こだわりがすごいと思いました。

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