成長の原動力と小売業の未来のかたちとは

▲弊社取締役最高投資責任者
草刈 貴弘

 いまおっしゃられた社会的ニーズに対応していくという点で、さわかみ投信が御社を調査している中で感じたことは、2011年の東日本大震災がポイントになっているのではないかというところです。
あのときは首都圏でも停電や節電で街灯なども消され、とても暗くなってしまいました。そんなときに煌々と電気がつき商品がそろっていたことで、これまでコンビニエンスストアを利用していなかった高齢者が来るようになりました。さらにセブンプレミアムのハンバーグや食パンなどが個食にマッチして顧客数の伸び以上に成長したと私たちは認識しています。この時に、社会インフラに変わったのだなと認識を強く持っています。

 あの時は本当に私どもの強みが生かされたと思います。なぜ店舗でのニーズを満たせたのかと言うと、単にコンビニエンスストアだけでなくスーパーなど全国で展開をしており、バックの物流をもっているといった強みを生かせましたし、阪神大震災や中越地震などの経験から、変化への対応をしてきた結果、ノウハウを積んできていたからです。

 会社の中が変わることも大事だと思うのですが、外界が変わった時に素早く適切に反応できるかということも大事だということですね。

 常にお客様のニーズに目を向けておくということは重要で、その変化に対応する必要があります。そのためにはお客様が誰なのかということを明確にしていかないといけません。まずは、自分たちのターゲットは誰なのかということを明確にしていかないと、変化やニーズへの対応できません。

 小売業の一番大事な点はローカライズをやり続け、そこでしか味わえない経験を売ることなのかなと思います。先ほどお話ししていただいた買い物難民の問題についても、たとえば出張の店舗だけでなく、ある場所ではセブンカフェを展開し、一人暮らしの老人の方々がそこに集まって話して、自分にあった買い物もできる。そしてまた次へ移動するというような形もできそうですね。

 我々のビジネスモデルであるフランチャイズという形は、基本的に地域に根差した方が経営をされていますから、各地域のニーズに合わせた様々な対応を行い、発展させていくことを可能にしていくでしょうね。


株式会社セブン&アイ・ホールディングス
取締役常務執行役員
伊藤 順朗 様

1958年生まれ。82年学習院大学卒業、三井信託銀行(現:三井住友信託銀行)入行。87年米国クレアモント大学経営大学院へ留学。90年セブン-イレブン・ジャパン入社、2002年取締役、07年常務執行役員。09年5月同社持株会社であるセブン&アイ・ホールディングスへ転籍、取締役執行役員事業推進部シニアオフィサー。11年4月CSR統括部シニアオフィサー。16年12月より取締役常務執行役員経営推進本部長。