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ESGは隆盛だが始まったばかり

新聞やニュースでESGやSDGsの話を見聞きしない日はありません。長期投資が特徴であるさわかみファンドの運用では、1999年の運用開始当初から社会の持続可能性に貢献する企業の選別は最重要事項でしたので時代が追いついてきたと感じています。
しかし今、時代はさらに先を行こうとしています。それは大きな時代のうねりとしての若年層の動きです。最も重要な兆候は教育現場にあります。

教育が次の世代を作る

皆様はESDをご存知ですか?これからの株式市場にも大きな影響を与えるであろう動きが、教育の現場で起きています。
ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。
この ESD は、2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で我が国が提唱した考え方であり、その後、ユネスコを主導機関として国際的に取り組まれてきました。我が国では、新学習指導要領の中で「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられており、小学校、中学校、高校の各段階でESGやSDGsに関連する項目が、重要視すべき正しいこと、として教えられています。この結果として、現在の若年層はESGやSDGsに関して従来の世代に比べ格段に高い関心や価値観を持っています。
この若年層の意識の高まりは世代が下がるにつれて強まる傾向があり、これもまた「教育の成果」と言えるでしょう。そしてこの世代が社会に出る前に、さらに投資に関しての「教育」がなされます。

 

将来の投資家像

2022年4月から、高校の授業で投資教育がスタートしています。前述のようなESDの教育を受け、ESGやSDGsに馴染んだ学生に、投資を行うことと、その大切さを教えます。
さらに言えば、近い将来、投資は学ぶことだけでなく、やること自体も義務化されると筆者は思います。例えば確定拠出年金制度は2001年にスタートしましたが、2016年に個人型にiDeCoという愛称が付けられ、国民に広がり始めています。これは自己責任による投資の義務化といえるのではないでしょうか。
これらの結果としてESGやSDGsに高い関心を持つ、今の若年層やその次の世代が将来の投資家層の中心になっていき、その時に本当の意味でのESG投資の隆盛が見られると思います。
さわかみファンドの運用に追い風
教育現場の変革、若年層の意識の高まり、投資教育の義務化、社会制度の変更による投資の義務化、等を考えた時に、冒頭で述べた社会に貢献する企業への長期投資に向かう大きな波を感じます。これから、このさわかみファンドという船に乗り込んでくる若い世代の参加を楽しみにしながら、今後も長期投資の航海を続けたいと思います。

【アナリスト 西尾 沙奈】

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