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投資信託(ファンド)の本質的な説明など無理である。企業投資も同様。例えば、“企業を応援する気持ちで”というフレーズを用いるが、そんなもの説明できるわけがない。なぜなら、応援したい気持ちは自分自身にあり、企業の何らかの要素に惚れ込み、または支えたいと思っているからだ。それを他人が易々と理解できようもない。結論から言うと、応援投資もファンド選びも“相性が合うか”“共感できるか”という価値観の世界。すなわち、自分自身に価値観がなければ話が始まらないのだ。

どんなファンドを選べばいいですか?

セミナーで時々聞かれる質問だ。質問者の状況、ライフプランなどに応じるのが一般的な回答だろうが、多くの場合、“全部お任せファンド”が最も刺さる。そこに社会的意義があればなおのこと。実は多くの個人投資家は結果にのみこだわっている。身を飾る装飾品とは違うからだ。むしろ自分自身のための時間確保が最優先で、経済や金融などの勉強に大切な時間を奪われたくないはず。
しかし、インターネットなどに転がっているオススメ・比較サイトなどでは、ファンドのスペックを説明していることが多い。信託報酬、シャープレシオなど。重要な情報ではあるが、悩んでいる個人投資家にとってスペックなど役に立つ情報なのだろうか? 疑問に思う。ファンドは車やケータイのように耐久消費財ではなく、変化(価格上昇)を期待する商品だ。今日のスペックが5年後を約束するものではない。スペックなど、せいぜいマーケティング(営業)に活用する程度。マーケティング行為が結果を変えることもあるが、本来知るべきは“過去~現在”ではなく“未来”だ。

 

結婚相手をどう選びますか?

学歴? 年収? 容姿? 趣味? そんなスペックだけで選んでいいものだろうか? 確かに、付き合ってみるまで相手の人柄はわからない。わからないがゆえに計測可能なスペックを見ることもある。人物予測ができるからだ。人材採用も同じだろう。雇用してみないとわからない。わからないがゆえに履歴書、職務経歴書などを見る。
結婚生活、そしてその先の“家族”をイメージするには、表面上のスペックでは情報不足だ。あなたにとって年収が大切なら、それを稼ぐに至るプロセス、今後の方針なども確認したい。趣味は合う合わないではなく、その趣味を続けるか否か、どういう人生を歩みたいのかなども考えたい。無論、支出に関してもクセも知っておきたい。それらは評価すべきものではなく、一緒に考え思想を重ね合うことが重要。つまり価値観の共有である。ファンドも同じだ。ファンドにも思想・哲学があり、個人投資家にも当然ある。それがピタっと重なればよし、まったくすれ違っていたらそれは選ぶべき相手ではないのだ。
いかなる家庭を育みたいのか。いかなる成績を積み上げたいのか。選ぶプロセスは結婚もファンド購入も同じようなものだ。そして、あなたが理由で相手が変わる可能性があることも同じ。相手だけに求めるのではなく、未来を一緒につくるのだ。
唯一、結婚とファンド購入の違いがあるとすれば、結婚相手は原則一人だが、ファンドは何本購入しても誰も怒られないということだろう。

 

【2023.8.8記】代表取締役社長 澤上 龍

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