
3月4日、投資先企業である大同特殊鋼株式会社の愛知県知多半島にある知多工場・知多第2工場へファンド仲間30名と訪問しました。
文字どおり“特殊な鋼”は、錆びず・曲がらず・割れずなどの性能で私たちの毎日の生活を支える材料ですが、大同特殊鋼はこの特殊鋼を専業メーカーとして提供する国内最大規模のメーカーです。例えば、ものづくりの中でも極めて高い信頼が必要な航空機産業で、同社のエンジンシャフトが高いシェアを持っている事実からはその技術レベルの高さを伺い知ることができます。然るにその製品が約20年間に亘り、800度の温度環境や1分間で1万回転する使用条件に耐える品質を持っていると聞くと、どのような工程を経てそれを実現しているのか大きな好奇心が湧きあがります。
今回のツアーは、このような同社の心臓部(源流として同社全体の90%を製造する)ともいえる知多工場の中に入り、大迫力の現場を間近で見る大変貴重な機会となりました。
大迫力の生産現場
ツアーは始めに「溶かす」「固める」「鍛える」「延ばす」という各工程のノウハウによって特殊鋼の価値が高まっていくことの説明を受け、それに伴い見学は、スクラップ(原料)ヤード→電気炉→連続鋳造→分塊圧延→鋼片整検、の順で理解できるように現場にむけて出発しました。座学での説明はDVDもあり大変解り易く、頭では十分に理解が進んだ気になるものでした。ただ会議室から現場に出てみればそのスケールに圧倒され、五感から本当の意味での理解が進みました。とりわけ150t(自動車の重さで約100台分)の容量を持つ電気炉において、その中に詰まったスクラップを溶かすために大きな3本の電極が刺さっていく際の、飛び散る火花、つんざく音、沸き上がる煙はまさに脳裏に焼き付きました。さらにはその後の連続鋳造・分塊圧延の工程において、眼下で夕日のような輝きを残しながら加工される特殊鋼から伝わってくる熱は会議室に戻ってきた後も顔にしばらく余韻として残るほどでした。
分子レベルの品質というコントラスト
そしてさらに圧巻であったことは、これだけスケールの大きな工程から分子レベルで品質をコントロールされた製品が生まれていることでした。当日はその難易度を解り易く「氷を中心まで均一の状態で凍らすことの難しさ」に例えて紹介されましたが、同社が先述の工程内で、「溶かす」では合金の添加や余分な成分の除去などの調整を行い、「固める」では様々な装置や工程の工夫により内部の成分偏析を防止し、品質をコントロールしていることが理解できました。同社の特殊鋼生産はそもそも100種以上のスクラップ(既に様々な成分が混ざっている)の利用に始まりますが、そこから最終的には顧客に合わせた4,000種ものオーダーに応えています。参加者の質問もこの辺りに多かったことからも、まさにこれまでは“鉄の塊”にしか見えなかった特殊鋼が“ノウハウの塊”として認識できた瞬間だったのではないかと思います。
さいごに
さらに今回のツアーでは知多第2工場にて、一度つくった特殊鋼を再溶融することでさらに高い品質へ引き上げる設備も見学することができました。同社が歴史と共に築き上げたこれまでの競争力に満足することなく、新しい需要や新しい顧客の獲得へ挑戦する姿から、将来さらに成長してゆく期待も高めることができました。
さわかみファンド組入れ企業では生産設備が最大級に分類される大同特殊鋼への企業訪問ツアーは、その調整の難しさもあり同社の協力を得ながら企画から約1年半掛けて実現されました。めったに入ることのできない工場内は、参加者の皆さまにとって投資家として、生活者として、モノづくりに感動し、同社への信頼・感謝・リスペクトが生まれる素晴らしい空間になったのではないかと思います。
【運用調査部長 斉藤 真】
ツアーの流れ
知多工場(愛知県東海市)
■13:00 会社説明
大同特殊鋼 取締役常務執行役員 岩田 龍司 様(左)と、当社運用調査部長 斉藤(右)が同社の魅力を紹介! 皆さま熱心に聞かれていました。

■13:30 知多工場、知多第2工場見学
大迫力の現場に大興奮!
保護メガネ・ヘルメットなどを着用して見学に臨みました。



■集合写真撮影
社宝の1.5tエルー式アーク炉前にて

集合写真撮影 社宝の1.5tエルー式アーク炉前にて
ご参加者の声
●とてもスケールの大きい会社で、かつ、オンリーワンを目指し改善していかれる姿勢に感銘を受けました。ありがとうございました。
●イメージ通りではあったが、実際見学出来た事でいっそう理屈等が理解出来た。
●多品種の特殊鋼を製造しているのにビックリした。
●素晴らしい工場見学を企画いただき、有難うございました。今後も期待しています。
●中々見学させてもらえないようなところを見せていただき、貴重な体験となりました。お話もいままで知らなかった世界を知ることができて楽しかったです。
●実際に工場の中を見る事ができて、本当に貴重な体験となりました。有難うございました。
●改めて大同さんの歴史などを調べたいと思いました。ありがとうございました。
●テレビコマーシャルで特殊鋼を作成する会社というのは知っていたが、唯一無二のものを作成出来る企業力に感銘を受けた。






