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企業選別の視点

 

草刈 世界人口は増加傾向にあり、食糧に対する懸念があります。現在地球上で生産されている穀物を全人類に均等に分けたと仮定すると1日に約6杯分も生産しているにも関わらず、世の中では飢餓が発生しています。これは貧富の差だけではなく、過剰摂取や廃棄、飼料や燃料への転換、貿易といった問題から起きています。その解決にビジネスチャンスがあると思います。もともと日本は資源の少ない国なので、調達し、運び、加工するという技術がとんでもなく優れています。商社や海運のような日本独自のビジネスモデルが世界レベルになってしまっています。製造業では造船や製鉄等ではコストという観点で製造拠点が欧州から米国、日本、アジアに移った歴史があります。しかし日本は苦しいながら未だにアジアと最前線で勝負し続けることが出来ている。それが何故かを深掘りする意味があると思うのです。

 

澤上 それは今後のものすごく大きいテーマだね。

 

草刈 世界的に高齢化や少子化、社会保障等の将来への深刻な問題は確実にでてきます。それを解決するために実際に行動を起こすのが日本の企業であり、応援する主体が我々を通じた世の中、というのが一番いいモデルになるのではないでしょうか。

 

澤上 去年の11月の国連の人口推計によると、2050年に地球上の人口は96億人にまで増える。今の71億から25億人も増えるわけ。10日で190万人。70日くらいで東京都ができてしまう。それだけ人口が増えると衣食住の需要だけでも爆発的に伸びる。また、より高い生活レベルへの欲求はどんどん高まっていく。そのうち肉や魚だって食いたくなる。そうなると家畜や魚の飼料は3~8倍は必要となる。贅沢すればするほど絶対に足りなくなるのは見えている。農地確保もだんだん厳しくなってくる。いずれ水耕栽培である稲作は食料工場船で生産される日がくるかもね。食料だけでも、日本企業が関与できる可能性は、多くの人が想定するよりはるかにでかいものがあるんじゃないかな。すでに企業は伸びが著しい世界の需要を狙って動き出している。ところが、投資家は分かっていない。だから、さわかみファンドがその役目をする、ゾクゾクしてくるよね。
草刈 私はロボットに注目しています。これまでのロボットは特に産業用で自動化という側面が強かったんですが、現在は多様化しています。自動化で雇用が奪われるという議論もありますが、ロボットのアシストによって人間の作業をサポートするというような技術もでてきました。バイオ等先進技術の産業と、ロボットに必要な高性能モータなどの周辺産業もそろっている国はほとんどありません。日本のロボットは世界を席巻する産業になると思います。

 

澤上 工業生産力や工業インフラも整っているからその可能性は大いにあるよね。すごく楽しみ。

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