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電動化で需要の増すKOAの技術
 今後、自動車業界は電動化や自動運転、高電圧化といった変化がさらに進んでいきます。そうした中で、御社の役割、果たすべき仕事の領域の広がりを大きく感じます。最後に具体的に抵抗器がどのように役に立っているのか、またどの分野に可能性があるのか教えてください。
 抵抗は回路上で、所定の電流や電圧を作る部品です。例えば100Vの電流から、回路上で必要な20Vや5Vの電圧や0.3Aといった電流を作るのに使われます。最近では、こうした抵抗器を電流量を測るセンサとして使うニーズが増えています。最近の自動車はエンジンの負荷を下げるため従来エンジンから動力を得ていたパワーステアリングやターボチャージャーなども電動が多くなりました。その他にも電装化が進む中、自動車に使われるモータの数は増加しています。
それらのモータの回転を制御するために流れている電流を検出する必要があり、そこに使われるのが実は抵抗器なのです。自動運転になった場合、どれぐらいハンドルを切るかというのは大事になりますが、そういったものを人間の感覚に代わって測るには、モータからの電流を微妙な単位で検出する抵抗器の技術が必要なのです。車載用のモータは2015年比で27%伸びています。我々の電流検出用の抵抗器というのはこの比率に即して伸びていくと思います。今後も電動化は進んでいきますので我々の役割というのは増していきます。今後のIoTの中で電流センシングのニーズは車載だけではなくて、産業用ロボットや計測器など多方面にわたりますので、我々の電流検出用抵抗器もたくさん使っていただけるでしょう。
抵抗器を80年近く作り続けてきたら、様々な基盤技術が社内に蓄積できたので、今後はいろんなパートナー企業にお声がけをして、お客様のほうに技術的に欠けたピースがあれば、そこに我々の技術をお使いいただこうという活動に取り組んでいきたいと思っています。社員が一丸となってこうした改善活動を始めとした取り組みをしてくれているので、今後が本当に楽しみです。そんなわくわくする気持ちでこれからもやっていきたいですね。


KOA株式会社 代表取締役社長 花形 忠男 様

1979年に興亜電工株式会社(現在のKOA株式会社)に入社。
技術者として製品設計や材料開発に携わった後、マレーシアの生産子会社駐在、品質保証部門、生産などの分野を経験。2008年に取締役に就任し生産全般を担当。2013年代表取締役社長就任。

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