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株式は投資の王様と呼ばれる。その他金融商品、例えば債券や為替、不動産や金に代表される商品になく、株式にだけ存在するものがある。それは“努力し夢を追いかけることのできる意思”、つまり人格である。株式含めすべての商品が需給によって価格形成される事実はある。ただし株式だけは価値そのものを自ら上げることができる性格を持つので、長期では需給を超えて価格すらも上昇できるのだ。
さて本シリーズの最終章である今回、“投資”と“運用”の違いについて言及しなければならない。運用については既に“複数の手法を組み合わせ、バランスを取って目的地に向かうこと”と定義づけた。では投資とは何か。投資とは“未来への可能性を応援すること”と言えるかもしれない。

投資と運用という二つのキーワードを持つ言葉に“システム”というものがある。システム投資とは、「未来にこのようなシステムがあれば便利だろう、業績も上がるだろう…では開発しよう」と挑戦することだ。一方でシステム運用とは、できあがったシステムをいかに効率的に回していくか、ということになる。投資と運用、全く要素が違うのだ。
例えば自己投資という言葉がある。自分の将来を考え、語学なり心身(容姿含め)を磨き上げることだ。その目的は将来の自身の可能性を広げることにあり、つまり成長を欲するからだ。一方で自己運用とは言わない。当てはまる要素としては、健康を維持するためのセルフケアやメンテナンス、語学や感覚などを衰えさせないための維持、アンチエイジングなどもその類に入るだろう。

我々人類は、理想の未来に向け改善しなければならない課題が山積みとなっている。同時に、より便利で豊かな未来を模索したい。そのために今行動することは投資である。結果的に財産づくりになることもあろうが、または財産づくりが本来目的であっても、自らが生きる未来を良いものにしていきたいと思うのは人類共通の願いだろう。その力が投資、特に長期投資にはある。誰かの夢を応援し、自らの可能性を信じてもらえる関係を社会全体でつくっていければ、後は実力と運に頼ることができるのだ。

さわかみファンドでは、執筆現在(2019年9月4日)で108社の企業に投資をしている。企業それぞれに夢や可能性を感じ、その実現を我々は真に心待ちにしている。我々のような長期投資家が寄り添えれば、企業の未来は多少なり現実に近づくだろう。しかしそれら企業の努力が確実に叶うとは約束できない。だからこそ、さわかみファンドでは複数の企業に比重や時間軸をずらしながら投資をしている。この集合体が運用なのだ。

投資は相手の夢が実現するまで…少なくても10年は必要だ。そして運用は生涯続けるべきだ。世界中にある夢や可能性に対しバランスよく資産を乗せ続ける行為は可能な限り長く続けたい。その結果、豊かな世の中とそして財産の両方ができるのだ。

【2019.9.4記】 代表取締役社長 澤上 龍

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