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海外のニーズに合わせて醤油関連製品を見事に広めた
卸事業にも注目、日本食の成長を第二線から支える

 

キッコーマン株式会社の魅力は海外事業の強さにあります。同社が米国に進出したのは約60年前の1957年、1973年に現地生産を開始しました。そして肉やバーベキューにあうソースとして「KIKKOMAN TERIYAKI」を現地で開発。米国のニーズにあった商品を長年提供してきました。近年、米国でもヘルシーな食品や天然素材が注目されています。それに合わせて減塩醤油や科学的添加物(MSG・グルタミン酸ナトリウム)などを使っていない事を強く打ち出しています。科学的に作られて価格も安い競合製品が現地にもありますが、価格競争はせず同社の本醸造による醤油の「香り」や「味」で勝負しています。同社の海外事業は卸事業にも力を入れており、競争の激しい海外の日本食レストランではなく、競合の少ない卸に注力している点にも魅力があります。「Pick-and-Shovel-Play※」との米国のことわざがありますが、まさに今の日本食ブーム時において当てはまるのではないかと思います。私は小学生から英国で育ち、世界中に日本食が広がっていくことを感じてきました。しかし、未だに本物とは程遠いものも多いというのが実情です。つまり本物の成長余地があるわけですから、香りや味にこだわり、長期にわたる着実な成長を期待しています。

※米国のゴールドラッシュ時に第一線の金発掘企業に投資するのではなく、ひとつ間をおいたショベルメーカーに投資したほうが賢いとのことわざ。

【アナリスト 大岩 賢】

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