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「住友王国」
邦光 史郎 著
集英社
 

さわかみファンドは、「より良い世の中をつくっていこうよ」の旗を高く掲げて、応援したい企業を厳選している。
 
人々の生活になくてはならない事業を展開していて、なおかつ社会や環境への意識も高い企業とくれば、われわれ長期投資家は一緒に頑張っていこうよと応援のエールを送りたくなる。
 
応援という以上、世の流れがその企業に逆風になっている時ほど、ここは長期投資家の出番と気合いが入る。よっしゃ断固として応援買いするぞというわけだ。
 
明治のはじめ、第2代住友総理事で伊庭貞剛という住友家の繁栄に大きく貢献したすごい人がいた。
 
別子銅山の紛争を人徳でもって解決しただけではなく、住民の生活や環境への配慮も欠かさなかった。掘り出した銅鉱石を精錬するための燃料として木材を伐採した結果、ハゲ山になってしまった別子の山々をどんどん植林していった。
 
また、銅の精錬で発生する公害と、それが人々の健康に及ぼす影響に頭を痛めた。それが、四阪島精錬所の建設へと向かわせた。
 
伊庭は52才でパッと現役引退し、近江の地へ隠遁した。その引き際の見事さは後世の見本となっている。
 
企業経営者としてすごい人だと知って、もっともっと調べたくなった。いろいろな書を読み漁っているうちに、ふと手にしたのが本書である。
 
住友の家訓のひとつに浮利を追わずというのがある。地道なもの作り商売に徹して世の中のお役に立っていく。その精神が脈々と流れて多くの産業を興していった。三井三菱とは違った財閥史である。

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