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私たち日本人には身近過ぎてうっかり見落としがちですが、世界が注目するのがORIGAMI技術です。若き女性研究者によって思わず唸ってしまう技術の実用化が進んでいます。今回は、日本の伝統芸を立体臓器の作成に生かす「細胞折り紙」技術をご紹介します。

細胞は通常培養すると平面状になります。将来的に臓器の作成を想定するならば、細胞を培養しながら立体的な臓器の組織に育てあげる技術が必要です。その立体構造をいかに簡単に構築できるか、これをブレイクスルーできれば、今後の再生医療にかなりのインパクトをもたらすでしょう。

北海道大学の繁富香織特任准教授のアイデアは秀逸です。半導体製造の技術を駆使した微細なパターン作成と細胞組織工学が見事につながっています。ポリマーの極小板(マイクロプレート)→微細加工で表面にパターンを描画→パターンの境界をまたがせて細胞培養→細胞や組織の縮まろうとする力(牽引力)→細胞が育ち牽引力アップ→パターンを折り目にしてマイクロプレートが折り畳み→立体構造の生成。当然ながら、移植後に体内で溶けるようなポリマー素材の研究ともつながることでしょう。

固定概念を超えたORIGAMI技術はバラ色です。

【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】

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