13世紀後半アジア各国を巡ったマルコ・ポーロは、東方見聞録に日本のことを「黄金の国ジパング」と表しました。今の日本を見聞したら、どんな表現をするのでしょうか？
先日、兵庫県の山間部にある世界最先端の実験施設を見学しました。衝撃的でした。極端に言えば、特殊顕微鏡を使ってモノの分子や原子の動きが見えるようになります。例えば大腸菌のべん毛がくるくる回るときのon/offを制御しているタンパク質の分子・原子の動きが可視化されます。これを可能にするのが、波長1000万分の1mm以下の世界最高性能の光です。その光をつくるための電子銃ビーム装置、電子を強烈に加速する加速器、強烈な光（放射光）を取り出すための円周長1.4kmもある放射光施設でした。可視化されたデータを光回線で超高速伝送し、神戸のスーパーコンピューター富岳で解析しながら世界中にフィードバックする仕組みが将来構想。国立研究所の計画によれば、人工光合成触媒、半導体、核酸医薬等のナノレベルでの分析が、従来3年間かかっていたものが5日間に短縮できるとのこと。オールジャパンの光技術の集積は途轍もない可能性を秘めています。
【取締役最高投資責任者 兼 運用調査部長 黒島 光昭】
