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時間を忘れるほど面白い雑学の本
竹内 均 (編集)
三笠書房

長期投資をしてきて、つくづく思う。これは「考える仕事だな」と。実際、投資運用とはいうものの、株式などの買ったり売ったりに費す時間とエネルギーは、ほんのわずか。大半の時間は将来に向けて、あれこれ調べたり考えたりに消えていっている。いつも書いているように、「投資は将来の納得に対し、いまの不納得で行動する」のが鉄則である。将来の納得とは、将来に向けて投資価値の高まりを読み込んで、ニヤリとする様をいう。これはおもしろい投資ができるぞで、ニヤリだ。
いまの不納得とは、その将来価値に対する世の中の評価が散々に低い状態をさす。一刻も早く売って現金化したい人ばかりで、こんなところで買おうなんて損するだけだと皆からバカにされる。そういったタイミングで買いの行動を起せば、信じられないほど安い値段で買える。
投資なんて安く買っておいて、高くなるのを待って売るだけのこと。大事なのは、なにを買うかだ。どの企業だったら、5年10年と応援できるか。生活者としてトコトン応援できるかの調査と、ここから先の社会をあれこれ考えることが絶対的に求められる。
いつでも先のことを考えるのは、けっこう楽しいもの。ただ、常時すごく頭をつかうが故に、時折は脳を休ませてやりたくなる。なにも考えず、ボヤーッとするのも良し。あるいは、本書のような雑学の世界で脳を遊ばせてやるのも良しだ。案外と脳はおもしろがってくれる。

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