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先日、劇場で「開戦前夜」を鑑賞した。本作は日米開戦前に設立された「総力戦研究所」での日米戦シミュレーションを題材にした映画で、「なぜ国家が開戦を止められなかったのかという当時の社会の空気」を描きたかったとのこと。作中、同研究所が「日米戦における日本の敗戦は必至」と結論付けたにも関わらず、日本が戦争に突き進んでいく空気が感じられた。

欧米列強に追い込まれ、将来に悲観した日本が「米国に勝てるのか?」という懐疑の中、最後は大和魂で破滅へと突き進んでいく様。それはまさに米国の著名な投資家、ジョン・テンプルトンが残した「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という相場格言と重なり、鑑賞中、作品と株式市場の空気感が何度も交錯した。

社会の空気感という話から年金100年安心プランを提唱した故坂口元厚労相とのエピソードを紹介したい。当時、怖いもの知らずだった私は空気を読まず「100年と言った時点で国民をバカにしていませんか?」と突っかけた。そんな私に彼は「今、みんな将来年金は大丈夫なのか?と悲観的になっている。国民が将来に希望を持てるよう、100年後も年金制度が続いていく安心感を持ってもらいたい。その安心が続くように取り組んでいくのが私たち政治家の使命じゃないかと思っている」と世の中の年金不安という空気感を変えたい想いを語ってくれた。

あれから20年以上が経っても残念ながら世間の空気は年金不安一辺倒である。しかし、実は現在の20歳が将来貰う年金受給額は、現在の65歳の金額を超える推計が出ていることはあまり知られていない(厚労省 令和6年財政検証結果)。年金は不安だという空気に晒されて冷静に中身を見ようとしていないのは、戦後の今も変わっていない。長期投資家を増やしていくことで、日本を覆う将来不安の空気を変えていきたい。

【確定拠出年金部長 西島 国太郎】

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