孤高の相場師 リバモア流投機術

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「孤高の相場師
リバモア流投機術」

ジェシー・リバモア著
パンローリング
 

筋金入りの長期投資家を自認している身でいうのも妙だが、本物の投機には一種のあこがれを感じる。カミソリのような切れ味で、百戦錬磨の連中がたむろする相場から巨額の利益をせしめるのをみるに、なんとも痛快である。
 
お客様の虎の子をお預かりして運用する立場上、相場の世界で勝ち残っていかねばならない。そのためにも、孫子の「敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず」ではないが、古今東西の名だたる投機家からいろいろ学びたかった。彼らの勝負から学ぶことが、自分の長期投資に厚みと深みをもたらしてくれるはずだから。
 
あまたの凄腕といわれた投機家の武勇伝をひもといた中、米国で20世紀初頭、JLと称賛され恐れられたジェシー・リバモアは際立っている。1929年10月に襲来したNY株式市場の総崩れが引き金となった大恐慌を前にして、リバモアは8月ごろからすさまじい金額の売り建てを敢行していた。
 
いつ起るかしれない株価大暴落に賭けて、全財産を投入してカラ売りしたのだ。その潔いまでの勝負心(ごころ)には、ただただ恐れ入る。
 
大恐慌という事態に遭遇してほとんどの人が富を失った横で、あまりに巨額の利益を手にしたリバモアは世間から怨嗟の的となった。最終的には自殺を図ったが、それほどまでにすさまじい切れ味の一大投機をやってのけたわけだ。
 
われわれの長期投資は人々のより豊かな生活と社会全般の富の増殖をお手伝いする。したがって、どれほど相場に勝っても世の中で喜ばれるだけだから幸せである。