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▲鈴木様(中央下)とフードバンクのメンバー。

今年のGW、私は新型コロナウイルスによって尽力されている方々の姿を思い浮かべながら、自分にできることはないものかと悩んでいました。ファンド仲間の皆さまの中には、私と同じように想いを巡らせた方も多いのではないでしょうか。そんな中でふと、お話を聞きたくなったのが、今回ご紹介する名古屋の鈴木様です。鈴木様は長期投資で経済的自立を果たし、現在“フードバンク”と野宿者支援のボランティア活動をされています。

きっかけは早期退職の決意

鈴木様は元々リース会社の営業マンでした。42歳のときに勤務先が合併し社風がどんどん変わっていき、また周りの先輩を見渡して60歳までの自分のロードマップが大体見えていく中で、自分のこの先の社会人人生を深く考えられました。そして60歳前に退職するための老後必要額を計算、「足りないお金を10年間で準備しよう!」と心に決められました。以前より投資を行っていた鈴木様は本格的に株式や投信をコツコツ購入され、子供が大学を卒業間近の51歳の時、自己目標を一年前倒しで達成し早期退職されました。さわかみファンドを始めたのは2004年の30代の頃。澤上篤人の本を読んで、「長期で持てばいずれ上がる。日本には価値のある企業がたくさんあるので、しっかり選べば目先株価が落ち込んでも10年経ったら大丈夫」という言葉を信じ、株式も投信も長く付き合えるものを選択してきました。毎週土曜日に株価をチェックすると決め、基本的には買ったこと自体を忘れるくらいの付き合い方。無理なく自然に投資と向き合っていらっしゃいます。

退職後に知ったフードバンク

他人のために何か役に立つことをしたいと考えていた鈴木様は、退職後に参加したセミナーで、子供の貧困と生活困窮者に関心を持ち“フードバンク”の存在を知りました。日本では賞味期限が随分先なのに、途中で廃棄される食品ロスが年間600万トン余りあります。その一方でご飯を十分に食べられない生活困窮者は増えています。この二者の橋渡しとなるのがフードバンクです。現在、全国に約100のフードバンクの団体があり、鈴木様はそのうちの一つである“セカンドハーベスト名古屋”に所属しています。
鈴木様にボランティアを始めてよかった点を聞いてみました。「他人のためにこんなに努力している人がいると知ったことです。始めは本当に驚きました」セカンドハーベスト名古屋は愛知・岐阜・三重の105の自治体と提携して、自治体に相談に来られた生活困窮者に食品を届けています。自治体がヒアリングしFAXされてきた依頼書を見て、一世帯ごとの状況に合わせ食品を箱詰めしているそうです。例えば、子供がいる家庭にはお菓子を、家事ができない男性にはお米ではなくレトルト食品を、電気・ガスが止まっている家庭には調理不要の食品を、という具合です。また、当日15時半までに依頼されたものは翌日午前に届くよう発送します。かなり忙しく、でもハートフルに仕事をされているのが目に浮かびます。「自分はコツコツ長期投資をしたおかげで、今こうして好きなことができています。メディアでは今回のコロナは100年に一度の危機と言われていますが、リーマンショックの時も100年に一度と言っていましたよね。若い人にはビビらずに、多少のことでグラグラせずに、信じて積み立てを続けていればおじさんのような生き方もできるんだよ、と伝えたいです」

▲オンライン画面から、鈴木様にインタビューをしている江藤(写真右)。

フードバンクに関わる方々で支え合う

鈴木様の今後の夢がまた素晴らしくて、インタビュー中に興奮しました。「フードバンクに寄付される会社の中には、コロナの影響を受けているところもあります。例えば、名古屋コーチンの高級卵を寄付していただく養鶏場です。鶏は猛暑の時には規格外の小さな卵を産みやすく、この流通に乗らない小玉を寄付いただいているのですが、コロナの影響で取引先の飲食店が閉まり大変困っていらっしゃいます。そこでセカンドハーベストの建物内で事務所に来る方やボランティアのメンバーで卵を購入できるようにしました。今後はお米の精米を、日頃寄付いただく会社の中で精米設備を持つ会社に頼んだり、我々の活動で出る段ボール等資源ゴミをNPO仲間へリサイクルするなど、フードバンクに関わる方々でお金を回すように考えていきたい。こんな時代だからこそ、知恵を絞って我々に関わってくださる方を結びつけるマッチングのようなことをやっていきたいと考えています」

様々なかたちで社会を支えてくださっている方々がたくさんいらっしゃいます。社会を知り、自分には何ができるだろうと考えて行動していくことは、長期投資家の道なのかなと最近実感しています。私は長期投資で得たリターンを世の中にお返しすることを少しずつ始めています。寄付と行動と、両面で何ができるかこれからも考えていきたいと思います。

【情報システム部 江藤】


鈴木 将史 様

名古屋市在住。長期投資歴16年。現在、生活の40%をフードバンクに、20%を野宿者支援に、残りの40%でセミナーや企業IR、決算説明会等の長期投資の勉強に充てられている。
写真:鈴木様(写真右)と野宿者支援のメンバー

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