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新著(年内出版予定)の紹介文(下記、AI作)掲載はいよいよ【企業調査】に入る。我々が日夜実践する分析手法を体系立て、基礎を中心に解説する。無論、生き物である企業や社会を解剖するのは簡単ではないが、実例を多数用いたことで、誰にとっても参考となるだろう。


 

株式投資とは、企業の“未来”を買うことである

魅力的な物語だけでは、投資は危うい。かといって数字だけを追う投資は、企業活動へのただ乗りに過ぎない。本章が説くのは、その二つを結び合わせる企業調査の作法だ。書き手は現役のアナリスト——企業を「銘柄」ではなく、社会を富ませる存在として見つめる者たちである。

なぜ、四期連続で過去最高益を更新していた老舗企業が、黒字のまま倒産したのか。なぜ、財務諸表という「過去の数字」から、まだ見ぬ未来が読めるのか。そして——胸を打つストーリーは、どうすれば確信に変わるのか。

「損益計算書は代謝、貸借対照表は体型、キャッシュフローは血液——企業は一つの有機体である」「定量分析は健康診断書、定性分析はその要因を裏付ける医師の所見だ」「ストーリー(定性)と数字(定量)が融合した時、投資の精度は劇的に高まる」

本章はまず、数値には現れない強みを掘り起こす定性分析から始まる。「誰に・何を・どうやって」というビジネスモデルの解剖、市場のライフサイクルとの相性、競合との相対比較、そして模倣が最も難しい人・組織・企業文化、経営者の資質。さらには中期経営計画に潜む「言葉の重みの変化」や、一人の生活者としての肌感覚——数値になる遥か前に灯るシグナルまで捉えにいく。続く定量分析は、その物語を財務三表という事実に照らす。三表を一つの有機体として連動で読み、ROE・ROIC・現金化の速度を測るCCCで「稼ぐ力」を解剖する。四期連続増益のさなか黒字倒産に陥った江守グループの実例は、損益計算書だけを見ることの危うさを容赦なく暴く。

さらに視点は個社の外へと広がる。ポーターの五つの力で業界の力学を読み、コストリーダーシップ・差別化・集中という三つの戦略で企業の立ち位置を測る。サイゼリヤの徹底した垂直統合、無印良品のブランド、ピジョンのニッチ特化、そしてニトリが自らを「製造物流IT小売業」と呼ぶ所以——バリューチェーンのどこに、他社が容易に真似できない「堀」があるのか。その一点を見極めることこそ、五年、十年と続く競争優位への確信となる。

だが企業調査の目的は、粗探しではない。企業活動に伴走し、対話を通じて価値の向上を共に支えること——それこそが、ただ乗りではない「真の投資」だと本章は説く。物語と数字を結んで得た確信だけが、再現性ある長期リターンの源泉となる。

二章「企業調査」の前半は、さわかみ投信の現役アナリストが、身近な企業の実例を手に、調査の現場を惜しみなく綴った。ポーターの理論も、生活者の直感も、同じ机の上で語られる。

物語から、確信へ。数字から、未来へ。読み終えたとき、あなたはもう、企業を「銘柄」としてだけ眺めることはできない。

【2026.9.16記】代表取締役社長 澤上 龍

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