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前回に続き、今月も新著の紹介文を掲載する(年内出版予定)。【一章-長期運用】の前半は、ポートフォリオに関わる「歴史的な知」を「現場的な実」に咀嚼し、個人投資家が考えるべき対応策にまで落とし込んだ。下記はAIによる紹介文だが、新著の内容はかなり学術的で重厚なものとなっている。


 

市場が付けた価格は、真実ではあっても、正しいとは限らない

資産形成の入口を抜けた読者を待つのは、教科書が「パッシブ運用こそ正解」と告げる世界だ。だが本章の書き手——現役のファンドマネージャーとアナリスト——は、その正解にあえて背を向ける。理論を知り尽くした者が、なぜ理論から逸脱するのか。

なぜ二人の巨人が築いた理論は、投資家に「相場の預言者であることを辞めよ」と告げたのか。それでもなお、プロはなぜ相場を読み続けるのか。そして——「買うのは技術、売るのは芸術」と言われる出口を、人はどう規律できるのか。

「価格は、価値を中心に振り子のように揺れている」

「将来の納得を、現在の不納得で行動する」

「上がって良し、下がって良し——恐れるべきは、恒久的な損失だけだ」

本章の骨格は、ポートフォリオの一生そのものだ。構築し、最適化し、運営し、管理し、そして評価する——その各段階を、学術の理論から現場の実務まで、章を追って体系的に解剖していく。理論の背骨をなすのは、マーコヴィッツの「唯一のフリーランチは分散」、そしてシャープの驚くべき帰結——投資家がやるべきは値上がり株を当てることではなく、市場全体と現金の比率を決め、自分がどれだけリスクを負えるかに向き合うことだ、と。だが書き手はそこで立ち止まらず、「情報は決して平等ではない」として理論の外へ踏み出す。

舞台は現場へ移る。景気循環を春夏秋冬になぞらえ、春は中小型グロース、夏は大型クオリティ、秋冬は根の深い大型バリューへと森(ポートフォリオ)を組み替える。有効フロンティアやシャープレシオで最適化を測り、危機時にあらゆる資産の相関が「1」へ近づき、株式内の分散が無力になる瞬間にも備える。標準偏差や最大ドローダウンでリスクを可視化し、最も難しい売却には目標株価・仮説の崩壊・機会費用という三つの出口を用意する。数式と格言、理論と肌感覚が隣り合わせで語られる。

それでも本章は、単なる技術論では終わらない。50%下落した資産を取り戻すには100%の上昇が要る——だからこそ守るべきは、目先の勝ち負けではなく「生き残ること」だと説く。四半期の業績に一喜一憂せず、企業価値の成長という一点に賭ける道にこそ、複利が効き再現性が宿る。個人にとって最大の武器は、機関投資家が持ち得ない「時間」だ。早耳情報に頼らず、ポートフォリオとの対話を続けること——それが、惑わされない運用の芯になる。

本章「長期運用」は、さわかみ投信の現役ファンドマネージャーとアナリストが、学問の集積に現場の体験知を注釈するかたちで執筆した。

価格から、価値へ。予測から、規律へ。読み終えたとき、市場の日々の上下は、もう以前ほどあなたを揺さぶることはない。

 

【2026.7.18記】代表取締役社長 澤上 龍

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