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昼休み、初夏の心地よい暖かさの中で、私は緑豊かな木々と調和している美しい皇居のお堀を眺めながらその歴史に思いを馳せていました。すると突然、腕にチクッと痛みが走ります。あっ、蚊に刺された!

普通なら少し嫌な気分になりますが、この日は違いました。暖かな陽気と、こっそり忍び寄ってきた蚊のおかげで、フィンランドのサマーコテージで過ごした夏の記憶を思い出したのです。

冬が暗くて長いため、フィンランド人は短い夏を大切にし、思い切り楽しもうとします。その夏の過ごし方として欠かせないのが“ サマーコテージ” です。多くのフィンランド人は何らかの形でコテージと関わりがあり、自分で購入する人もいれば、家族から受け継いだコテージを親戚同士で共有している人もいます。

私はフィンランドの首都ヘルシンキで育ちましたが、我が家のコテージまでは車で約6 時間かかるため、そこにいくのは年に1~ 2 回ほどで、夏や秋に訪れるのが恒例でした。特に夏の滞在は特別で、3 ~ 4 週間ほど滞在することもあります。

では、サマーコテージとはどんな場所で、そこで何をするのでしょうか。

筆者一家が所有するサマーコテージ

我が家のコテージは昔ながらのスタイルで、亡くなった祖父が丸太を使って自分の手で建てたもので、水道はなく、電気も小さなソーラーパネルで最低限の照明をまかなう程度です。豪華さはありませんが、暮らすために必要なものだけがある、そんな場所です。

そしてフィンランドですから、もちろんサウナがあります。毎晩サウナを温め、熱いロウリュを楽しんだ後に湖へ飛び込み、またサウナへ戻る―それを何度も繰り返す時間は、本当に最高です。

他にも、ブルーベリーやキノコ採り、釣りなどを楽しんで過ごします。薪割りや掃除などの作業もありますが、不思議とそれすらリラックスできる時間に感じるのです。本を読んだり、ラジオを聴いたり、そして何よりスマートフォンから距離を置くことも大切です。さらに、自然の中では時おり遠くで動物の気配を感じる程度で、その静けさのおかげでぐっすり眠ることができます。

また、地方の小さな町や村は年々人口が減っています。だからこそ、実際に足を運び、地元のお店やサービスを利用することが大切だと思います。私たちも、地元のお店で食料品や工具を買ったり、コーヒーやお菓子を楽しんだりしています。ほんの小さなことかもしれませんが、少しでも地域にお金が回るようにしたいと思っています。

そんな私からみても、日本には豊かで訪れてみたい魅力的な自然がたくさんありますが、日本の人たちはフィンランド人よりも、自然を楽しみきれていないように思います。

「サマーコテージの文化は、長期投資の文化とも繋がるところが多いのではないか」……そんなことを考えているうちに、昼休みもそろそろ終わりです。

腕の蚊に刺された跡は、さっきより少し大きく、かゆくなってきました。

運用調査部
トレーダー
ヨニ・コルックラ

 

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