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誰もが口ずさんだ、あの歌がある。

ドラえもんの主題歌だ。不思議なポケットから、望んだものが次々と飛び出してくる。空を飛びたいと言えば、頭にはタケコプター。遠くへ行きたいと言えば、どこでもドア。子どもの頃、あの青い友だちを本気で欲しがった人は、少なくないはずだ。

あの空想が、いま現実になろうとしている。

ロボットが暮らしのなかに入ってくる。そう聞いても、もう誰も驚かない時代になった。では問おう。ロボットがやってきて、人間の生活は大きく変わるのだろうか。

答えは、意外にも「変わらない」のかもしれない。

台所の高さも、椅子の座面も、車の運転席も、すべて人間の体に合わせてつくられている。私たちの社会は、長い年月をかけて、人間が暮らしやすいように設計されてきた。人型である必要はない、という意見もあるだろう。しかし、人間のためにつくられた空間で、人間と同じ仕事をするなら、人の形をしているほうが、はるかに合理的だ。

もちろん、車の自動運転は進化していく。しかし、目的地まで車で移動し、降りて荷物を運び、買い物をし、そのまま家で料理や掃除をする。その一連の仕事を、一体の人型ロボットが担えるとしたらどうだろう。専用の機器をいくつも置くより、一人の働き手がいるほうが自然ではないか。

得体の知れない機器ではなく、人の姿で社会に溶け込んでいく。それは奇妙な未来ではない。人間がつくった社会に最も適応した、合理的な未来なのだ。人型ロボットが人間社会で暮らすSF映画は、本質を見抜いていたのかもしれない。

運転をし、掃除をし、髪を切り、介護をし、料理をつくる。調理のデータや技術が共有されれば、一流シェフの一皿が、日替わりで食卓に並ぶ日も来るだろう。買い物をし、その材料になる野菜を育てることさえ、できるようになるかもしれない。ドラえもんの不思議な道具の正体とは、人型ロボットが生み出す労働そのものだったのではないか。

不思議なポケットは、もう物語のなかだけのものではない。
そんな未来は、決して遠い話ではない。

9月12日、福岡で開かれる運用報告会には、その未来を実際につくっている企業が集まる。画面の向こうではない。自らの手で未来を形にしようとしている人たちが、そこにいる。その意思に触れられる場所だ。

さわかみファンドは、26年にわたり運用を実践してきた。子どもだったファンド仲間が親となり、その子を連れて報告会に来てくれる。それだけの時間を、人の営みに投資しつづけてきた。

だからだろうか。近ごろの報告会では、子どもや孫の姿がずいぶん増えた。
未来をつくる人と、それを支える企業。その現場を、次の世代が自分の目で見て、感じ取っていく。もしかすると、それこそが本当の教育なのかもしれない。教科書には載っていない、生きた未来がそこにある。

不思議なポケットは、どこにあるのか。

猫型ロボットのお腹ではない。それは、何かを願う人の心のなかにあり、その願いを形にする企業のなかにある。こうなったらいい。こんな世界になったらいい。そんな願いを一つひとつ現実に変えてきたのは、いつだって人であり、企業だった。

空を飛びたい。海の底をのぞきたい。

その小さな願いこそが、未来をつくる原動力なのだ。

 

【取締役副社長 熊谷 幹樹】

 


 

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