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今回は、昨今世間を賑わせている「AI(人工知能)」関連について、私たちがどのような視点で向き合っているかをお伝えします。

 

旺盛なAI関連企業の実態

現在、AI関連への設備投資は極めて旺盛です。私たちが日々の企業リサーチや決算発表を通じてまざまざと見せつけられているのは、AIインフラと言われるデータセンターを構築するパワーグリッド、PSU(電源ユニット)、サーバーラック、そしてGPU回りの電子部品市場が、過去に見ないスピードで成長しているという事実です。さらに、膨大な発熱を処理する液冷システム、高速ネットワーク、大容量ストレージの需要も急拡大しており、これらインフラ全体を支える製品は、今後も構造的かつ長期的な成長機会が存在しています。皆さまが普段利用されている生成AI(Chat GPTやGemini、Claudeなど)は、質問をするとまるで魔法かのように、回答が出てきますが、その魔法の裏側は、物理的な製造業の力に支えられています。AI開発の主戦場であるデータセンターは、極めて電力密度の高い巨大インフラであり、私たちの手元でAIが答えるために、1ボルト以下の低電圧で数百アンペア級の電流を貯めた「膨大な電気タンク」が利用されていることになります。

 

AI関連製品の成長率

AI関連製品の一例として、このデータセンターと呼ばれる「膨大な電気タンク」内ではその急激な電圧変動を防ぐために、極小(数ミリ)サイズのコンデンサといわれる電子部品が利用されています。従来スマートフォンにも1台あたり約1,000個搭載されていたこの部品は、次世代のAIサーバーでは数万から数十万個規模で敷き詰められることで需要が急拡大しています。ある電子部品メーカーの決算では、全売上のうち1割ほどがすでにAI関連製品で占められるようになってきており、その分野の成長率が年率80%を超えるようなケースも確認されています。 こういった背景を受けて、AI関連製品メーカーの株価は、将来の成長を先行して織り込みバブルの様相を呈して盛り上がっています。

 

世界全体の実態成長とAI関連製品の成長について考えること

しかし、ここで私たちは冷静に立ち止まる必要があります。世界のGDP成長率が年平均3~4%ほどで推移している中で、この極めて高い成長率は数年先もしくは何十年後からの仮需ではないか、という疑問です。さらに言えば、莫大なインフラ構築の先にある「最終消費(AIスマートフォンやPC、各種サービス)」からの投資回収が計画通りに進むのかどうか。正直なところ今の段階では誰にもわかりません。実際、現状は生成AIのパイロット運用において、多くの企業が短期的な投資対効果(ROI)の創出に苦戦している実態も報告されています。

 

長期投資家のAIインフラ関連企業との向き合い方

だからこそ、私たち長期投資家は相場の熱狂や悲観に対して「つかず離れず」の距離感を保ちます。AIブームだからと盲目的に飛びつくことも、過剰な悲観論に怯えることもありません。私たちが行うべきは、長期的な目線で企業の利益と実態の成長を推論し、その企業価値に対して株価が割高であれば売り、割安であれば買い増すという運用を、実体経済を軸に考え、愚直に続けていくことだけです。

【運用調査部 アナリスト 森實 潤】

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