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分散投資とは?種類や初心者でもできる投資手法を解説

分散投資とは、資産運用におけるさまざまなリスクを分散させるための投資方法のひとつです。
資産や時間、地域を分散させることで、リスク分散が期待できるといわれています。
本記事では、分散投資の種類や初心者でも簡単に分散投資をするための方法などについて解説していきます。

分散投資とは

分散投資とは、複数の投資先に資産を分散させることで、リスク分散が期待できる投資手法です。投資先を一つに集中させるのではなく、複数の投資先に分散することで、ポートフォリオ全体のリスクを抑えることができるといわれており、初心者でも取り組みやすい投資手法です。
しかし、分散投資には欠点もあります。複数の投資先に分散させることで、リターンも分散されるため、リスクの低減が期待される分、リターンが少なくなる可能性もあります。

以上が、分散投資の概要となります。投資を行う際には、自分に合った投資商品を選ぶとともに、リスク分散にも注目することが重要です。

投資をする上でのリスク

投資には、価格変動リスクや金利変動リスク、地政学リスクなどさまざまなリスクが存在します。

株式投資の代表的なリスクは価格変動リスクです。株価は需給や企業業績への期待など不確定な要素によって変動するため、高いリスクを伴う場合があります。

一方で、債券投資の代表的なリスクは金利変動リスクです。金利が上昇すると債券価格は下落し、投資家に損失が生じる可能性があります。また、債券発行体の信用リスクも考慮する必要があります。

分散投資をすることで、これらのリスクを分散させることができますが、完全に投資リスクを回避することはできません。投資を行う際には、自分に合った投資先を選び、リスクを適切に管理し、リターンに見合うかを検討してからチャレンジすることが重要です。

分散投資はリスクヘッジになる

複数の投資先に資産を分散させることで、リスクを低減させることができます。投資商品には必ずリスクがありますが、異なる性質のリスクを持つ投資先をポートフォリオに複数組み入れることで、リスク分散効果が高まると考えられています。例えば債券と株式では、それぞれが抱えるリスクの種類に違いがあることから、一般的にはリスク分散効果の高い組み合わせと考えられています。

投資をするからには元本割れ(損失)が発生する可能性があることも覚悟しなければなりません。しかし、複数の投資先に資産を分散していれば、一部の投資先で発生した損失が、ポートフォリオ全体に及ぼす影響を小さくすることができます。つまり、分散投資はリスクの分散が期待されるため、投資における有望なリスクヘッジの手法であると言えます。

ポートフォリオとは

ポートフォリオとは、投資商品の組み合わせのことを指します。複数の投資先に資金を分散させたポートフォリオを組むことで、個別の投資先に起因するリスクを分散させることができます。
例えば、株式と債券を組み合わせたポートフォリオを組むことで、株式投資におけるリスクと債券投資におけるリスクをポートフォリオ全体でみたときに分散させることが期待されます。ポートフォリオを組む際には、投資先のリスク、リターン、リターンの相関性などを考慮して、バランスの良いポートフォリオを構築することが重要です。

分散投資の種類

分散投資には、資産分散・時間分散・地域分散という手法があります。

資産を分散する

資産の分散をしたい場合、以下のような投資先に分散して投資すると良いでしょう。

  1. 株式投資
  2. 債券投資
  3. 不動産投資
  4. コモディティ投資
  5. 外国為替投資

投資先を様々な資産クラスに分散させることで、リスク分散が期待されます。また、投資先のリスクの種類が異なるため、リスク分散効果が高まると考えられます。

時間を分散する

時間の分散は、一度にすべての資金を投資するのではなく、長期に渡り投資タイミングを分散させる手法です。
時間の分散は、市場の価格変動に一喜一憂せず、ドル・コスト平均法(価格が変動する金融商品を一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法)により、高値掴みのリスクを低減することが期待できます。また、手持ちの資本が少ない人であっても、時間の分散によって、長期的には大きな資産をつくりあげることも期待できます。

国や地域で分散する

国や地域を分散して投資することで地政学リスクを分散させることができます。
地政学リスクとは、地理的な位置関係によって政治的・社会的・軍事的な緊張が高まることで投資対象に及ばされるリスクのことを指します。
例えば、一般的に地政学リスクが高いと言われる新興国の資産に投資するだけでなく、日本、米国、豪州、欧州などの資産にも投資することで、地政学リスクを分散させることができます。
地政学リスクの分散を行うことにより、一つの国の資産だけに投資していた場合よりも、リスク分散効果を高めることができます。ただし、海外投資には、地政学リスク以外にも為替変動リスクなどのリスクがあるため、投資先の選択には注意が必要です。

初心者が分散投資するなら投資信託がおすすめ

初心者が分散投資をするなら投資信託がおすすめです。
投資信託は、複数の投資家の資金を集めて、運用の専門家であるファンドマネージャーが運用する金融商品です。
投資信託は手軽に始めることができ、専門知識を持たずとも分散投資をすることができるため、初心者にもおすすめの商品となります。
さらに、株式ファンドや債券ファンド、それらが複合されたバランスファンドなど、様々な種類の投資信託が存在し、自分の目標やリスク許容度に合わせて商品を選ぶことができるのも特徴です。

分散投資に関するよくある疑問

次に、分散投資に関するよくある疑問について考えていきましょう。

投資信託は1つでは分散投資にならない?

投資信託を1つだけ購入した場合、分散投資できていると言えるのでしょうか。
結論、投資信託は1本だけでも分散投資をすることが可能です。
投資信託は一般的に数十から数百の銘柄に投資しているため、1つの投資信託だけでも分散投資をすることができます。

さらに、投資信託を毎月一定の日に投資すれば、ドル・コスト平均法による投資も可能になるため、購入タイミングを分散させることで高値掴みのリスクも低減できます。
もちろん、複数の投資信託を組み合わせることで、さらにリスクを分散させることも可能です。

分散投資を考える上でのNG行動は?

分散投資はあくまでリスクを減らすための1つの方法であり、分散投資をしたからといって、必ず投資が成功するわけではありません。
また、せっかくつみたて投資によって時間の分散をし、リスク分散を目指していたにも関わらず、相場が下落して資産評価額が目減りした際、すぐに売却してしまうことも悪い例のひとつです。
こうした目先だけの行動に走らず、長期的な目線で投資を進めていきましょう。

まとめ

資産や時間、地域をそれぞれ分散して投資することで、リスクの分散が期待されます。
分散投資は投資初心者にもおすすめの投資手法となるため、本記事で分散投資のメリット・デメリット等を学んだ上で、前向きに検討してみてください。

2023年4月1日時点の情報をもとに作成

 

さわかみ投信代表の視点

分散の最大の目的は、リスクの性質を分散させることにある。価格ベクトルを分散させるというのはその一部に過ぎない。
例えば、アベノミクス景気下の相場では多くの資産価格が高騰したが、そんな相場では価格ベクトルの分散は効かない。一方で「生活水準にあった金額で無理なくつみたて投資する」ことで、投資をやめてしまうリスクを下げる時間分散には意味がある。
しかし、パフォーマンスの最大化を狙うなら、分散させずに集中投資する方が望ましい。
あまり大きな資産を動かしていない、またはこれから資産を大きくしていこうと考えているならば、分散投資よりも集中投資がベターだろう。