セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』

SEMINAR QA

赤字が続いているような企業でも将来性を見越して
投資することはあるのですか?

2023.02.01 —
50代 男性
2件のコメント
  • #投資運用
  • #景気経済

回答者による回答

はい、あります。ただし条件があります。当社の哲学である推と論を繰り返し、広く、深く、遠く調査して、かつ考察・解析して、世の中にとってなくてはならない企業であると腹落ちした場合には、私たちは長期投資のリズムでお付き合いします。大胆でみずみずしい読み込みの発想が大切です。赤字続きのセンセーショナルな記事はマスコミに報道されていてすでに株価に織り込まれているはず。ところが付加価値(人件費、減価償却費、研究開発費、賃料、税金)で見てみると、別な側面が見えてくる場合があります。特に地域社会において雇用をしっかりと守っている姿、虎視眈々と次の成長のための設備投資、研究開発投資で社会に付加価値を生み出している姿、そんな企業が簡単にへこたれる訳がないという真実が見えてきます。そして何よりも、広く、深く、遠くの過程で出会う商品、サービスに対して、これがなくなったら私たちや次世代の皆が困ると感じる場面があります。アナリストの醍醐味です。私たちの職場精神の一つで「頭や心にぜい肉をつけない」があるのですが、そういう素直な心で観察してみると、将来の納得、現在の不納得に投資する勇気が湧いてくると思っています。

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複数年赤字が続く不振企業とはいえ上場廃止になるわけでもないので、“将来性”が見込まれるならば投資する可能性はあります。赤字企業への投資はいわば“出世払い”に応じるようなものです。「将来性のある事業に情熱をもって取り組んでいる。今は赤字だが将来は黒字転換し、社会にも貢献するはず」と期待を込めて資金を投じることでしょう。しかし期待が打ち砕かれる可能性は常にあります。需要が育たない、競合他社に市場が奪われる、自社製品の開発が遅れる、等々の理由で赤字が長期化、遂には債務超過に陥る恐れさえあります。赤字企業に投資するならば、不振の原因が一時的か構造的かを見極める必要があり、一時的と評価できる場合に限って投資を検討すべきでしょう。更に、出世払いに期待しすぎて援助する金額を甘く見積もりすぎてはいないか、出世払いが始まる時期はいつか、応援したい気持ちとは別に、投資家としてよりシビアに将来性を見越す能力が求められるでしょう。

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